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教えて達人 - ネットde事例検討

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2019/05/07 16:04
【SLIPERより】
実習は、講義や演習などでは決して経験できない、実際の現場の活動を学ぶ機会です。実習に出るには、事前に学びたいことを明らかにしておくことや学校や地域について事前に学習しておくことが重要であるとテキストには書かれています。しかし、そんな準備を軽く超える、想定外のこと、予想外のことを経験できるのが実習での最大の学びだとも言えます。
教育実習は、かつては教員になるための仕上げの位置付けでしたが、教職実践演習という教職課程の学びを統合する新しい科目ができたことにより、その役割が変化しました。横浜市の教育実習サポートガイドには「リレーで例えるとアンカーではなく、中間走者の役割になります。仕上げではなく、課題や気付き等を大学にバトンパスする、という役割です。」と書かれています。つまり、何かを「教え込む」のではなく、教職に就く上での自分の課題、学校や子どもが抱える課題に「気づかせる」ところに大きな意義があると考えます。
救急処置の方法や身長の測り方の技術は、大学の演習でも学ぶことができます。実習では生の子どもと触れ合い、集団としての子ども、個としての子どもを感じて欲しいと思います。学校を教員側から見た時の感覚の違い、教員の教育への熱い想いも知って欲しいです。こうした経験を通して得た多くの気づきから、「養護教諭になりたい」という夢を強くし、目指す養護教諭像をより具体的にすることが実習の最も重要な意義ではないでしょうか。
そうはいっても、実習生を預かったからには責任が生じますし、「学生を一人前にしなければ!」という使命感を持つでしょう。ただでさえ忙しい保健室の仕事をこなしながらの 実習指導は本当に大変です。指導を担当される先生方には、本当に頭の下がる思いです。養護教諭を対象とした、実習指導のための研修や大学との十分な打ち合わせができるのが理想ですが、現実的には、その時間の確保も難しいのが実情です。だからこそ、数週間で養護教諭の仕事の全てを身に付けさせようと無理をする必要はないのかもしれません。学生自身が「もっと知りたい」という思いを持って帰り、学び続ける姿勢が育まれることをめざしてはどうでしょうか。
教育に携わっている人なら誰しも感じていることだと思いますが、人はやる気がなければ学びは身につきませんし、やる気があれば、自ら学び成長します。スキルラダー研究会でお伝えしている「思いがなければ技術は身につかない、技術がなければ思いは伝わらない」の言葉の通りです。しかも、やる気を削ぐことは簡単ですが、やる気を出させることはとても難しい。せっかく大変な思いをするのですから、実習生のやる気を削ぐような実習だけは避けたいですね。
もちろん、実習生の態度が悪く、やる気が感じられないということもあります。中には、養護教諭に向かないと思える学生がいるもの事実です。態度の改善は、大学の教員に指導を申し入れる必要がありますが、引き受けてしまった以上、やる気のない学生をどれだけ変えられるかというところに目を向けるしかありません。資質のない学生には、そのことに気づかせることも大切です。そのためにどうするのか、そこは子どもの指導と同じです。厳しく指導したり、叱ったりしても、ますますやる気が無くなるだけです。こういう学生の場合には、養護教諭として生き生きと仕事している姿を見せたり、子どもと触れ合う時間を増やしたりするだけでもその学生なりにきっと気づくことがあるはずです。しかし、問題点は実習中に学生に理解できるよう、直接話すことや、記録へのコメントではっきりと伝えましょう。大学に提出する評価表にも、しっかりと改善すべき点と身につけるべき事項を記録してよいと思います。この時、各都道府県で作成されている「教員育成指標」が役にたつかもしれません。新人期にどのような力が身についていればいいのか、学生に振り替えさせる視点となります。(各都道府県の育成指標は、養護教諭大学協議会のHPにまとめがあります。)
ところで、あなたは学生時代、どんな実習生でしたか?私も実習校での子どもたちとの出会いは今でも忘れられません。「子どものためになることをしたい」、心からそう思えたことが、養護教諭の学びを深めるモチベーションになりました。目の前の不真面目な実習生もいつかは「力のある養護教諭になりたい」と思ってくれる日が来るかもしれません。いつどこで人は変わるかわかりません。成長を信じましょう。実習生があなたに感謝する日がきっと来るでしょう。


1)大谷尚子、中桐佐智子編「養護実習ハンドブック(養護教諭必携シリーズNo.4)」、東山書房、2010
2)横浜市教育委員会「教育実習サポートガイド(養護教諭編)」、2018
http://www.edu.city.yokohama.jp/tr/ky/k-center/daigakurenkei/support-guide-yogo.pdf
3)養護教諭養成大学協議会「各都道府県の教員の育成指標の掲載先一覧について」、2019
http://www.j-yogo.jp/index.shtml#admin
40歳代/静岡/養護教諭
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7 SC-04J
2019/05/02 08:48
大学で養護教諭の養成に関わっています。この質問を見て、数年前に養護実習に行った学生を思い出し、投稿してみました。
彼女は母校の中学で実習したのですが、1週目の終わりに「養護実習って1日何時間って決まりはありますか?私は毎日朝の7時30分から20時頃まで保健室にいるのですが、これは普通ですか?」とメールしてきました。
驚いて本人に直接連絡したところ「実習担当の養護教諭が帰るまで、自分も帰してもらえない。しかも仕事が終わらずに遅くなっているのではなく、17時過ぎからはダラダラと雑談しているだけ」とのことでした。
慌てて2週目早々に訪問指導をいれていただきやんわりと話を聞いたところ、「ひらすら書く」「朝早くから夜遅くまで」「担当教員の指示には絶対服従」というその先生が学生の頃に経験した養護実習をそのまま踏襲して行っているとのことでした。失礼かとは思いましたが、この勤務時間には問題があると伝えたところ、「私たちの時代とは違うのね」と理解して頂けましたが、まだまだこのような養護教諭も現役にいることを考え、皆さんが投稿されているように「実習を受け入れる側のルール」の統一が必要だと思います。
50歳代/千葉/大学教員
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2019/05/01 19:35
私は15年目の養護教諭です。同じ市内の養護教諭(経験20年目)から電話がかかってきました。内容は、初めて養護教諭の教育実習生がくるのだけれど、何をしたらいいかわからない、あなた、実習生引き受けたことがあるから教えて、というものでした。また、ある新規採用の養護教諭からは、着任したら、教育実習生が来ることが決まっていました。自分も新採なのに、どうしていいのかわかりません。このように、実習生が来る来ないは、運なのです。20年目で初めて受け持つ人、新採でも受け持つ人もいるのです。これが教育実習現場の実情です。私自身も教育実習生を受け入れたことがありますが、教育実習生を受け入れる教育は受けたことはありません。今回のテーマは、何を目的に〜ということですから、私の答えは少しピントがずれますが、実習そのものの改善という視点で書かせていただきます。
教育実習先が、自分の母校にお願いするということに限界があるのではないでしょうか。一般教諭であれば、教育実習生の受け入れの際には、どこの学年にするか、どの先生にお願いするか管理職や教育実習担当などが相談し選びます。ですから、より適切な人を選んで担当にしてくれるのではないかと思います。しかし、養護教諭の場合は、学校に一人のため、新規採用者が着任しても、変わりがいないという状況になります。実習を苦手と感じるタイプの養護教諭も実習をやらされることになります。学生にとっては一生に一度の大切な実習です。
教育委員会から実習指導者として養護教諭を推薦してもらうというような制度はできないのでしょうか。

40歳代/静岡/養護教諭
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2019/05/01 08:54
元養護教諭、現在は養護教諭養成大学で教員をしています。大学教員になって8年になり、毎年多くの学生を教育実習に送り出してきました。毎年、実習先の養護教諭の先生方には丁寧に学生指導をいただき感謝しています。
その中で私も同じようなことを経験しています。今回のようなことにならないように、大学と実習校の事前の打ち合わせをする中で、学生のこれまでの学びの状況や実習内容の確認や何のための実習なのかを(実習要項に書かれていますが)明確にお伝えする必要もあるかと思います。私が感じるのは「実習先によって、良くも悪くも学生が変わる」ということです。教育実習に出すのにやや不安な学生であっても実習先で気持ちを高めてくる学生もいますし、逆に何の心配もない優秀な学生であっても実習先でつぶれてくることもあります。つまり、大学の座学では見えにくい学生の資質やコミュニケーション能力などが現場で良くも悪くも出ていると言うことと、受け入れ先の養護教諭の「養護教諭観」や「子ども観」「指導力」が影響するのだと感じています。
大学教員としては、学生が実習先で学校現場を経験することにより「養護教諭として仕事をすることができるかどうかを見極めてきて欲しい」と考えています。実習先では学生の現状を評価いただければと思います。実習先での評価を元に課題を見出し、実習後の学びなおしに役立てていければと考えています。
40歳代/東京/大学教員
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2019/05/01 06:58
自分が実習生だった頃を思い出します。今思えば、知識も技術も全く十分ではなく恥ずかしい状態でした。ですが、指導教官であった養護教諭から素質あるよ!と言われたこと。この言葉に支えてもらってその後の採用試験に自信を持って望めたと思いますし、今に続くのだと思っています。
人の良さを見つけて認める、これは養護教諭にとって必要な姿。この養護教諭の姿が実習生にとっても必要なのかな、とも思いますが。
50歳代/山口/養護教諭
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2019/04/30 23:59

ここで問題なのは、指導担当の養護教諭ですね。実習生というものをよく理解していない。また、実習生個人の資質、人柄などを見抜く目も備わっていないのではと思ってしまう。「あれもこれもできない」「実習半分でやっと慣れてきた」、これは実習生そのものなのです。1,2の投稿にあるように、受入校側と大学側のコミュニケーション、実習指導者になるための研修などをもうけ、さらに努力して指導担当者のスキルを上げることですね。

余談ですが、私の夫はUSの公認会計士で、自分の事務所を持っていました。時々スタッフを募集して面接することもありました。採用判定の一つに「面接時間に遅れた人は雇わない」と。大学を優秀な成績で卒業し、免許所持者であることと、仕事ができることとは全く別のことだとも。事務所のスタッフは数名いましたが、全員会計士の免許もなく、高卒の人も半数いました。みんなとても優秀でしたが、中途解雇もあった。現実は厳しいのです。


60歳代以上/海外/元養護教諭
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2019/04/27 08:05
実習指導をしてくれた養護教諭に、学生のどんな準備が足りなかったのか、具体的に聴いてみるのが良いのではないでしょうか。
あくまでも養護教諭の主観的な感想なのか、
それとも、客観的な情報に基づくもので、その準備が無いことにより、養護教諭としての仕事を果たせなくなる致命的なものなのかどうか、
それは大学の先生である、あなたが判断して良いのではないでしょうか。

私は現在休業して大学院に通っています。
大学院で様々な文献などの資料を読んでいると、養護教諭に限らず、ことに専門職に関して、
『実習指導者になるための教育が必要ではないか』という問題提起を目にしますね。
実習指導者になるための研修が課されている職業ならまだしも、
何の規定もなく、誰でもが実習指導者になることが出来る状況では、
やはり今回の相談内容の様な問題は生じて来るかと思います。

私が読んだ資料では、
『実習指導者が自分の気分次第で学生を叱咤するため、学生のヤル気を削ぐ』

『実習指導者が職場の愚痴や不満ばかりこぼすために、学生がその職業に魅力を感じなくなり辞めた』
などが有りました。

将来に夢を抱いて、憧れの職業を目指す学生が、落胆したり、幻滅したりすることがないように、
学生から『先生のような養護教諭になりたい』と言われるように、
実習指導者はロールモデルになる必要だと思います。


40歳代/東京/元養護教諭
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2019/04/01 21:26
私は養護教諭になって20年ですが、学生さんの実習は7名経験しました。優秀な学生さんもいればそうでない学生さんもいました。私が一番驚いたエピソードは、一緒に宿泊訓練の引率に行ったのですが、休憩しておいでといって、控え室に戻らせたら、そのまま寝てしまって、休憩時間が終わっても戻ってこなかったことです。疲れていたんだなと思う反面、よく眠れるな、緊張していないのかと呆れる気持ちもありました。
この学生さんは、実習に取り組む姿勢もあまりよくありませんでした。看護学生さんだったんですが、養護教諭になるかまだ決めていないということからも、養護教諭について学ぼうという姿勢は低めでした。ただ、養成側の先生のせいにすべきか悩むところです。実習の態度というのは、本人の気質にすごく影響されると思いますし、養成側の学校で指導をいくらしても響かない場合もあると思います。
また、私自身、養護教諭の実習を受けもつ研修を受けたことがありません。私は看護師の経験が8年あるのですが、その間に、臨床指導者の研修(学生指導を受け持つためのもの、これを受講しないと学生指導はできない)を受けていました。
実習生を担当する養護教諭の研修を開き、学生の指導について大学側とコミュニケーションを取るのが良いのではないでしょうか。
養護教諭側も学生をよくしようという気持ちが強く出て、空回りしているのかもしれませんし、自分の指導に自信がないために、学生の理解が不当なものになっているのかもしれません。
40歳代/静岡/養護教諭
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