設問

教えて達人 - ネットde事例検討

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2019/11/03 08:17
【SLIPERより】
 まず、尿検査の意義ですが、健康診断マニュアル(日本学校保健会)によると、「慢性腎疾患や若年性2型糖尿病の早期発見」とされています。これからは、無症状でありながら、放置されると、将来、透析が必要になるなど重症化する可能性があるからです。さらに、学校保健会のHPでは、透析にかかる医療費は非常に高いため、医療費の削減という日本社会の課題にとっても学校検尿が重要であるとも書かれています。学校検尿で発見される慢性腎疾患は、小学生で1万人に3{emj_ip_}5人、中高生で5人{emj_ip_}10人、と非常に少ないのですが、年間数百万の医療費削減になるというのです。個人レベルの腎疾患の早期発見という意義はもちろんですが、社会的な意義も大きいと言えます。
 この意義を聞いても、相談者さんは「それ知ってる」そう思いましたよね。いくら尿検査に意義があっても、その回収の大変さと天秤にかけると、急にやる気にはなりませんよね。もちろん、他の教員や生徒に意義を伝えることは大切ですが、教員や生徒が意義を知っても急に協力的になることは難しいでしょう。問題は、検査の意義の知識の教育だけではなく、尿採取やその回収業務という行動や、検査業者による回収や結果の通知方法、再検査などのシステムにもあるのだと思います。何が大変なのか、何に困っているのかを、養護教諭・教員・生徒の立場別に書き出し、問題を明確にした上で、こんなことに取り組んでみてはいかがでしょうか?

・近隣の学校などにどんな工夫をしているか、聞いてみる
・養護教諭同士で話し合い、改善のアイデアを出し合う
・検尿を出さない生徒に、出さない理由、どうしたら出せるのかを聞き、対策を練る
・検尿回収の回数を増やす、学校で検体が取れるようにするなどの工夫ができないか、検査業者に相談する
(学校で採取するにあたっては、学校医に採尿の方法について助言を得る。排尿した後、コップ一杯の水を飲んで、椅子などに座って2時間程度安静を保ったうえで採尿するなど。)
・早く回収できたクラスの担任に、検診などで時間を選択できる権利を与えるなど、何らかのインセンティブを与える
(いじめやハラスメントにつながらないような配慮が必要)

 問題を解決するには、創造力が必要です。健康診断をはじめ、養護教諭の仕事には、多人数の行動のコントロールが必要な複雑な業務が含まれます。だからと言って、「仕方ない…」と流してしまわず、改善の方法を考える視点を持ち続けなければ、ますます多忙になり余裕を失い、視野が狭くなり問題解決の力が落ちるという負のスパイラルに陥ってしまいます。大変な時は人に頼り、助けを求めることも必要です。まずは、頼れる養護教諭に愚痴をこぼしてみてもいいかもしれません。そして、少し元気が出たら、何が問題だったのか、整理してみましょう。創造的に問題解決をする思考は、健康診断以外にもあなたの養護教諭としてのスキルアップにつながります。固定概念にこだわらない、柔軟な思考を持つことは、学校に1人しかいない養護教諭にとっての強みにもなるでしょう。

日本学校保健会「児童生徒等の健康診断マニュアル」平成27年度改訂. P54-
https://www.gakkohoken.jp/book/ebook/ebook_H270030/index_h5.html#54
日本学校保健会:特集「養護教諭のお仕事」第22回「学校での心臓検診・腎臓検診」
https://www.gakkohoken.jp/special/archives/194#b-02-01


40歳代/静岡/養護教諭
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2019/10/31 21:04
養護教諭を養成している大学教員です。養護教諭の現職時代、尿検査の回収紙袋に学校名や名前のゴム印をひたすら押していたことを思い出しました。今となっては懐かしい思い出ですが、正直なところ「何でこんなに手間がかかるんだろう、面倒だな」と思っていましたね。
現在、大学で健康診断の意義を講義する中で、学生から感想として出てくるのは「健康診断の色々な検査が、何のために行っていたかをしっかり分かっていたら、もっとちゃんと健康診断を受けていたのに」や「毎年なんとなく、受けなくちゃいけないから受けていたけど、意味があったんですね」、「恥ずかしかったり、面倒だと思っていたけど、自分のからだを知るために大切なことなんですね」と、養護教諭を目指す学生でもこのような反応があります。つまり、検査の意義や、必要性、どんな病気が見つかるのかなど、指導・教育することで回収率が上がったりするのではないかと感じます。しかも、自己負担なく毎年検査が行われるわけですからね。面倒でも、子どもの健康をを守るために指導・教育をがんばってほしいです。
40歳代/東京/大学教員
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2019/10/27 18:27
中学校に勤めています。
私は学校で尿検査をすることに意味がないとは思っていません。

近年、外国籍の生徒の編入学が増え、中国やフィリピン等で幼少期を過ごして、日本の中学校に入学する生徒が居ます。
その中には学校健診で、糖尿病やネフローゼ症候群が見つかることがあり、治療に繋がるケースが結構あるからです。

尿検査は、発見率という点では低いですが、安価で痛みを伴わない検査ですので、このまま続けて良い検査だと私は思います。

しかしながら、(尿検査だけ、学校外の機関で、というのはおかしいと思います)尿検査のみならず、
健康診断自体を学校という学習の場で行うのがベストなのか。というと、その点に関しては疑問は正直あります。

私の周りの養護教諭たちも「健康診断は学校ではなく、病院や検診センター等の機関で実施する方が良い」と言っています。

でも、学校保健安全法では、健康診断も学校教育的活動の一環と述べていますから、
今の日本では、学校で実施は、決まりごとなのだと思いますよ。


40歳代/茨城/養護教諭
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2019/10/27 18:17
私も1000人を超える生徒がいる高校に勤務しています。
尿検査は、HR担任や教科担任、部活動の顧問などの協力を得て、回収しています。
提出しない生徒については、放送で呼び出して、その場でトイレに行かせて採取させたり、教室に呼びに行って該当生徒を直に捕まえて採取させたりしています。

更に、運動部等の生徒であれば顧問に依頼して「尿検査も出さない、いいかげんな奴はレギュラーにしないからな!」と言ってもらったり、
委員会や生徒会の生徒ならば、その担当教員に「君が、尿検査も出していないなんて先生とても残念だよ・・」なーんて言ってもらったりして、提出率を向上させています。

そして、そこまでしても、提出が無ければ、仕方が無いのではないでしょうか。

検診を受けずに、病気を見逃せば、それはのちに本人に返って来るわけですし、検診を受けないということは、
大人になってからも怠惰で検診を受けずない生涯を過ごすことに直結するのですから。

提出しない生徒には「こんな簡単な検査ひとつ提出できないなんて。生活習慣病のリスクが高くなる中年期になってから急に検診受けようとしても、難しいわよ。
検診は必ず受けるという習慣を今のうちに付けとかないとね…・」と言い捨て、最後は余韻を残して意味ありげに立ち去ったりしています。

相談者さん、
あまり思い詰めずに、上記のようなあの手この手で工夫を、ある意味、楽しんで仕事をしてみてはいかがでしょうか。

40歳代/東京/養護教諭
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2019/10/15 20:42
おっしゃる気持ちはとても理解できます。
その上で発言させていただきます。

経験上
尿検査で、様々な疾病が発見されることがあります。
私は、尿検査を受けない生徒には、体育の授業をはじめ、宿泊行事やマラソンなどへの参加を控えて欲しいという考えを持っています。
もし、事故(急変)が起きた時に、尿検査も疎かに学校行事をさせていたとなれば、言い方は悪いですが責任問題となり兼ねないのではないでしょうか。
養護教諭として弁論できる自信がありません。

学校ですら受けない生徒が、主治医の所でわざわざ尿検査をしに行くでしょうか。

私も、1500人規模の高等学校勤務の経験があります。
その際に、ずっと尿検査を無視していた生徒が、最終日に出した尿から、腎臓の疾患が発見され、手術に至り、後に管理指導区分D・不可となり、部活動を辞めたというケースを経験しました。

尿検査の提出率を上げる為に、保健部長が体育主任だったこともあり、
尿検査未提出者はマラソンの授業を受けられないと(徹底の力はありませんが)言い添えてもらった事もあります。

様々な意見があるとは思いますが、私は
尿検査に重きを置いているという一意見です。
30歳代/和歌山/養護教諭
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2019/10/13 21:08
なるほど、というお悩みですね。私は500人の小学校に勤務していますが、毎年、尿検査の回収に四苦八苦しています。学校でやらないといけないのだろうかと思います。私の校区の子供は、ほとんどがかかりつけ医を持っています。病気の発見はかかりつけ医の力を借りて、全校一斉の検診がなくなれば、働き方改革の一環になると思います。毎年やるものだからという固定観念を捨てて、一度、実施する効果と手間のバランスを考えた方が良いと思っています。
40歳代/静岡/養護教諭
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