設問

教えて達人 - ネットde事例検討

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2019/12/03 21:02
【SLIPERより】
 自傷行為を発見し、やめさせたいと考えられているのですね。自傷行為研究の権威である「国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター」の松本俊彦先生は「@自傷行為の援助において最も重要なのは、自傷行為をやめさせることではなく、自傷行為の背後にある若者たちの困難な問題を見極め、それを軽減することにある1)」、さらに「Aこうした援助プロセスを通じて世の中には信頼できる人もいて、つらいときには助けを求めてもいいことを知ってもらうこと1)」と述べています。したがって、養護教諭として@自傷行為自体をやめさせるのではなく、自傷行為の背後にある問題を軽減することおよびA援助を求めやすくすることが大切です。
 自傷行為は単に自分の身体を傷つける行為だけでなく、自傷後に傷の手当てをしないことも含めた概念と考えられています1)。また、典型的な自傷行為は一人きりの状況で行われ、周囲の誰にも告白されない傾向があり、「人の気を引くためのアピール的行動」とは異なり、「孤独な対処行動」と理解すべきであるのです1)。自傷行為は自殺とは峻別される行為である一方、自傷行為を繰り返す者の自殺リスクは高く、長い時間をかけて様々な自己破壊的行動を発展させながら最終的に自殺既遂へと至る事例もあると松本1)は述べています。つまり、養護教諭としては、自傷行為は、その子の将来の自殺リスク因子として捉え対応することも必要なのです。
 これらのことから、「何も話さないのでどうすることもできない」と相談者さんは頭を抱えているようですが、まずは担任や部活動顧問等に最近の様子や家庭環境等を聞いてみましょう。中学校3年生ということなので、部活動の引退や高校受験が関係しているかもしれません。要因となる情報を周囲の者から収集してみましょう。それと同時に、本人にも、いつから自傷行為をするようになったのか、自傷行為をしてしまうのはどんな時だったか、きっかけや、そのときの感情を尋ねてみましょう。一度きりの声掛けでは話さないかもしれません。「何か困っていることない?あなたを守りたいので話して欲しい」と気持ちを伝え、心の痛みを自分の言葉で表現できるように言葉掛けしていくことが大切です1)。また、いつでも保健室に来て良いことを伝え、手当てを求めてきた場合は、「自分を大事にしたい気持ちがある」と理解し、「よく来たね」と言葉掛けすることも大切です1)。生徒が自分のことを告白したら、丁寧に何か辛いことがあったのかを聞き、問題を解決したり軽減する援助を考え、辛さを乗り越えるために自傷行為よりも健康的な別の対処法を一緒に考える必要もあると松本1)は述べています。自傷行為は、同じように苦しんでいる若者には驚くほど簡単に伝染するため、自傷創が他の生徒の目に触れない工夫も必要です1)。
 ケースマネジメントのスキルラダーにあるように、学校体制を整え役割分担すること、多職種と連携しケース会議を行うなど、改善に向けて養護教諭がマネジメントすることが大切です。
 自傷行為については、「国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター」ホームページ(https://www.ncnp.go.jp/general/books_12.html)に参考になる文献が掲載されています。まずは、養護教諭自身が、子どもたちを守って行くために自傷行為を行う子どもの心理状態や背景、援助の方法を理解する努力をしていきましょう。

1)松本俊彦 自傷行為の理解と援助 精神経誌114巻8号 2012

40歳代/静岡/養護教諭
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2019/12/01 14:44
相談の「自傷行為をやめさせたい」は、他の投稿された先生方の言われる通りだと思います。加え、プロの養護教諭として忘れてならないのは、学校組織人としての対応。管理職への報告、担任や保護者への適切な対応と、カウンセラー等との連携などなどです。

4番投稿の先生が言われた YouTubeを見てみました。感動です。私が現役の養護教諭だったころ(20年前に退職)、世間の人々の養護教諭像はこうではなかった。時代の変遷を痛感しています。この曲の作者は22才で自分がゲイであることをカミングアウトしているとのこと。苦しみ悩んだ少年時代、学校の養護教諭にも助けてもらった経験があるのでしょう。その時、彼は養護教諭は「保健室の太陽の塔」だと思ったのでしょうね。

今、子どもたちの養護教諭像は「悩みを聞いてくれる優しい先生」。この期待に応えるべく、日々の研鑽を積んでいきたいものです。


60歳代以上/海外/元養護教諭
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2019/11/29 20:47
リストカットの対応は未だに手探りです。相手が違えば、対応もその数だけあると思うので、こうすればいいということがないと言うのは1つ言えるのではないかとは思っています。
こうさせたいと、つい、こうさせたいとこちらの気持ちを押し付けてしまいそうになりますが、辛い気持ちはいつでも聞くよ、と声をかけて、待つことしかできない時もあるんだろうな、と思います。その生徒に見ているよ、気にしているよ、と言うメッセージは伝え続けたいですよね。
40歳代/神奈川/養護教諭
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2019/11/23 09:26
NHK Eテレ「びじゅチュ―ン!」で流れていた曲
「保健室に太陽の塔」を思い出しました。(ご存じない方は、是非、YouTubeで)

かの有名な岡本太郎氏の大傑作『太陽の塔』自体が
白衣を着て両手を広げた保健室の先生だって言うんですよ。

歌詞に「屋根を突き破るのよ!ちょっと怖いけど、保健室で私がいつも待っているから」とあります。

そう。「太陽の塔」は、高さが建屋のなかに収まらない問題を
なんと、大阪万博は、屋根に穴をあける画期的方法で解決したんです。

思春期真只中の揺れる不安定でもろい心理の女子生徒の
リストカット、過剰服薬、摂食障害等、多くを経験した私が思うに、

女子生徒にとって「リストカットが耐え難い苦痛から解放される方法の一つ」になっていると思われます。

「リストカットをどうやってやめさせるか」ではなく
「リストカットをしてしまう背景にある困難な問題をどう解決するか」こそが本題なのだと思います。

「黙っている」に対しては「本人に尋ねる」ことしか本当を知るアセスメント方法はないと思います。

「自傷行為をしているが、黙っている生徒にはどうしたらいいか」と、
近隣または先輩の養護教諭やカウンセラーに「問いかけの方法」を相談してみてはいかがでしょうか。

女子生徒の周りはあれこれ推測して原因を決めつけるかもしれません。が、結局のところ、本人しか分かりません。
本人も、問題が複雑でたくさんで、分からなくなっているかもしれません。

何か必死で秘密にして耐えていることがあるかもしれません。
理由を言ってしまった先に起こる何かを心配しているのかもしれません。

突き破る勇気を持てるように、支えましょう。
突き破るにはジャンプが必要です。高くジャンプするには、低くしゃがむ「今」があるのです。

歌詞にある「何を聴いても驚かないわ」の強い芯のある心持ちで、
女子生徒の手をそっと包み込み「何か、しんどいなぁ…ってことがあるの?」と優しく語りかけ、
太陽の塔のようにどっしり構えてみましょう。



40歳代/東京/養護教諭
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2019/11/18 17:52
1年生の頃からふらっと保健室に立ち寄るために、気になっていたとのこと。
ちなみに今もふらっと立ち寄りますか?

ふらっと立ち寄った際には、保健室の扉を閉め、あなたと女子生徒の2人きりの、静かな落ち着いた環境で
「この間、倒れたときに見えた腕のキズが気になったの、あれはどうしたの?」と尋ね、
ゆったり、じっくり話す機会を設けてみてはいかがでしょうか。

私も昔、自傷行為をしている生徒に「どうしたの?」と尋ねたら「何でもありません。大丈夫です」
とバサッと言い切られたことがありましたが、
1か月後に「あの時は、大丈夫と嘘を付きました。実は…・・」と、打ち明けられたことがありました。

女子生徒はやはり黙り込んでしまうかもしれません。1回目では無理かもしれませんが、それを何度か繰り返していくうちに、
ある日、ポツ、ポツと、抱えていることをあなたに吐露するかもしれません。

少し話しを聴いたところで、まずはカウンセラーに繋ぎましょう。(養護教諭おひとりが抱えることはありません)
あなたが、カウンセラーと女子生徒の橋渡しになってあげると良いと思います。

「自傷行為をやめさせるにはどうしたらよいか?」と考えるより、
「自傷行為をせざるを得ない程、彼女はなぜ、つらいのか?」と、
女子生徒の気持ちや感情に視点をシフトして考えた方が良いと思いますよ。

50歳代/東京/養護教諭
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2019/11/07 17:19
私は小中学校でカウンセラーをしています。若い頃はリストカットをしている生徒を見つけて、<リストカットはやめてほしい>と言ったこともありました。しかし、簡単にやめられないことも多く、生徒の中にはリストカットによって辛うじて自殺を踏みとどまっているように思われる生徒もいました。そのような経験から、今は自傷行為をしている生徒との面談では、<リストカットしているのが心配だから、私で良ければ話を聴くよ、でも今、話したくないことは無理に話さなくてもいいよ>と言って、生徒が話しだしてくれるのを待つようにしています。生徒がずっと黙っていると焦りも感じますが、なるべく待つようにして、タイミングを見て、<話したくても話せないことがあるのかな?><今日は時間が無くなってしまったけど、また私で良ければ相談に乗るよ>と伝えて、なるべく次回の面談予約を取るようにしています。もし、生徒が話をしてくれたら、まずは傾聴し、<大変な状況だったんだね、話してくれてありがとう>と受け止めて、自傷行為以外の対処法について一緒に考えて行くようにしています。それと、私も自傷行為の背景には、様々な可能性が考えられるため、関係者が集まって情報共有し、対応を役割分担するためにも支援会議を開かれることをお勧めします。
40歳代/静岡/スクールカウンセラー
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2019/11/06 18:18
私は養護教諭10年目ぐらいでリストカットの生徒を経験しました。つまり10年前ぐらいです。それまでは、研修会や本で読むくらいでしたので、実際にそういった子供を目の前にした時はどうしていいかわかりませんでした。カウンセラーに相談しようにも、毎日、カウンセラーがいるわけではないので、手探りでした。そして、いわゆるやってはいけない声かけ(やめなさいとか、家の人だって心配しているから家の人に連絡するよなど)をしてしまったこともあります。ですので、養護教諭だけの判断ではなく、まず支援会議を開いて、対応を相談することをお勧めします。
40歳代/静岡/養護教諭
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