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教えて達人 - ネットde事例検討

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4 Safari
2020/06/14 09:39
【SLIPERより】
 学校におけるICT活用については、2013年6月に閣議決定された日本再興戦略で、「2010年代中に1人1台の情報端末による教育の本格展開に向けた方策を整理し推進すること」1)を掲げ、教員によるICT機器活用と、児童生徒1人1台のタブレット端末利用を謳っています。2020年4月に文部科学省において公表された「新型コロナウイルス感染症対策のための学校の臨時休業に関連した公立学校における学習指導等の取組状況について」2)では、「デジタル教科書やデジタル教材を活用した家庭学習」の実施が29%となっていますが、2020年5月に文部科学省から公表された「新型コロナウイルスによる緊急事態宣言を受けた家庭での学習や校務継続のためのICTの積極的活用について」3)には、「令和2年度の補正予算で、災害や感染症の発生等による学校の臨時休業等の緊急時においても、ICTの活用により全ての子供たちの学びを保障できる環境を早急に実現するため、ICT端末や通信機器等の環境整備に必要な経費を措置しています」とあり、公立学校の児童生徒には1人1台端末を支給する費用が計上され、「学校における教育活動の一部をオンラインで実施する取組がさらに促進されることが想定される」と書かれています。このことから、今後ますますタブレット端末が学校教育に浸透し活用されることが予想されます。
 2012年に文部科学省が実施した「児童生徒の健康面への影響等に関する配慮事項 学びのイノベーション実証研究報告書」4)では、「情報通信機器の使用で健康面への影響等を懸念しているもの(学校調査)」として、視力の低下(70.1%)・ドライアイ(55.5%)・姿勢の悪化(54.7%)があげられていますが、児童生徒への自覚症状のアンケート調査では、「ICTを活用しているか否かに関わらず、授業前後の体調変化はほとんど見られないことが検証された」とあります。しかし、2016年に東京福祉大学教育学部柴田隆史准教授が、タブレット端末を1年以上使用している児童830名に対して行った調査5)では、「紙の教科書を使うときよりも目がつかれると思う」では、約55%の児童が目の疲れがあると答え、「腕や肩などの体のつかれを感じることがある」では、約36%の児童が疲れを感じることがあると答えています。
 2018年には、文部科学省が「児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブック(https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/14/1408183_5.pdf)」6)を出しており、教室の明るさや姿勢のポイントなど具体的な改善方法が紹介されています。養護教諭が実施できると思われることとして「児童生徒が自発的に姿勢を直すような啓発指導を行うこと」「家庭に向けては、保健だよりなどを通じて情報提供や啓発をしていくこと」「視力への影響については眼科医のアドバイスを受けること」なども書かれています。また、長時間利用についてガイドブックによると「学校での利用時間程度であれば、健康面への影響は生じないと考えられます」とあり、「連続作業時間は1時間を超えないようにし、超える場合には休止時間を設ける」と目安が示されています。2020年現在、休校措置のためにテレビ会議システムを利用した「同時双方向型のオンライン指導を通じた家庭学習」が公立学校の5%で実施2)されています。ガイドブックにはオンライン指導については書かれていないため、今後、子供への影響等がどの程度あるのか調査されることを期待したいです。
相談者さんが心配されるように、子供たちの健康状態を観察し、不調があれば改善することや不調を起こさないように予防をする必要があります。健康診断の結果から視力や四肢の状況を確認したり、相談者さんはすでに行っていますが、子供たちの健康状態に合わせた生活アンケートを再度調査することで実態をつかみましょう。そして、管理職や担任の先生方、家庭にも協力いただき、子供たちの学びの保障をしつつ健康を守りましょう。

【引用文献】
1)第2次安倍内閣「日本再興戦略-JAPAN is BACK- 平成25年6月14日」p46,2013
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/pdf/saikou_jpn.pdf
2) 文部科学省「新型コロナウイルス感染症対策のための学校の臨時休業に関連した公立学校における学習指導等の取組状況について(令和2年4月16日)」p1,2020
https://www.mext.go.jp/content/20200421-mxt_kouhou01-000006590_1.pdf
3) 文部科学省初等中等教育局「新型コロナウイルスによる緊急事態宣言を受けた家庭での学習や校務継続のためのICTの積極的活用について(令和2年5月15日)」2020
https://www.mext.go.jp/content/20200515-mxt_kouhou01-000004520_4.pdf
4)文部科学省「「児童生徒の健康面への影響等に関する配慮事項 学びのイノベーション実証研究報告書」pp276-288,2012
https://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2014/04/11/1346505_15.pdf
5) 柴田隆史「学校教育でのICT活用における人間工学的課題とガイドライン策定の検討」
JEITA ディスプレイデバイス事業委員会人間工学専門委員会主催電子ディスプレイの人間工学シンポジウム2017報告資料,pp16-17,2017
https://home.jeita.or.jp/device/lirec/symposium/fpd/pdf/2017_5a.pdf
6) 文部科学省「児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブック」2018
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/14/1408183_5.pdf

40歳代/静岡/養護教諭
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3 Safari
2020/06/11 05:01
紙が廃止されタブレットにとって変わるのは間違いない流れと思います。新たな健康問題が出現するのも予想できることです。
タブレットだけの問題だと言い切るのは難しいかもしれませんが、タブレットの使用時間が長いことは、姿勢に影響すると思います。また近い距離ばかり見ていることで、目が疲れる、視力の低下も心配です。
やはり、正しい使い方の指導と、タブレットの仕様はセットだと思います。
「20ルール」として、20分間デジタル画面を見たら、20秒間20フィート(6メートル)以上離れた物を見て休憩するということが、英語圏でを中心に浸透していると聞きました。このような目安を示すのも良いのではないでしょうか。

30歳代/静岡/養護教諭
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2 IE11
2020/05/24 16:34
長く養護教諭として子どもらの変化を見てきて感じることは
タブレットのみならず、「スマホやゲーム時間の増え」と
「ランドセルの重さ」だと私は思います。
統計を取ったわけではなのであくまでも予想です。

新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、リモート学習が
推奨され、ハイッピチで導入されつつある現状を考えると、タブレット
やスマホ、PCを使用しない方向性というのはもはや考えられないし、
いくらデータでのやり取りが可能になっても教科書やプリントは
減ってはいかないように思います。なので、
対症療法的になってしまうのは仕方ないかもしれません。

現代の子どもは、昔にくらべて肩こりになりやすい生活を送っています。
室内遊びの道具が充実していることや、塾通いのため、
外に出て体を使った遊ぶ時間が減っているため、
筋肉疲労を蓄積させて、子どもの肩こりを増やしていると考えられています。

なので、まずは、筋肉を付けるような運動を提案したり、解消法を保健だよりでお伝えして
みてはいかがでしょうか。

また、「精神的なストレス」が生じて、体のバランスを崩していることが
あるかもしれません。肩こりから、頭痛が慢性化したり、不眠から頭痛を
引き起こしているかもしれません。

子どもの話をよく聴き、よく観察して、原因となることを避けるように
外遊びや散歩、運動を勧めたり、日頃から姿勢をよくすること、湯船でリラックスすることを
指導してみてはいかがでしょうか。

凝っている肩をマッサージするというより、子どもには温めた手を触れて
優しくなでながら会話をするだけでも効果があるかもしれませんよ。





50歳代/東京/養護教諭
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1 Safari
2020/05/23 10:21
私の学校でもタブレット端末の利用が進んでいますが、長時間の利用は目に悪いという共通意識はありますが、実数の把握にはいたっておりません。休校が解除され視力検査が実施されたら、昨年度と比較してみようと思います。
肩こりなどの身体症状についても訴えが多くなったという実態の把握をまだしていません。しかし、休校中は、室内でメディアに触れる機会が多かったことは間違いありませんし、スマホ、タブレットの使用も多いことは考えられます。
アドバイスしたいのですが、私自身も、根拠を持って示せる具体策がありません。
何分やったら、何分休むなどの根拠を持った具体策を実践している方がいたら教えて欲しいです。

40歳代/静岡/養護教諭
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