教えて達人 - ネットde事例検討
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2023/12/02 09:41
【Slipersより】
今回はインフルエンザの事例ですが、熱中症などでも同じような経験をした方は多いのではないでしょうか。ちょっとした集団ヒステリーのようなものではないでしょうか。インフルエンザは、感染力は強いので、疑わしい場合は早退させ、感染拡大を未然に防ぐという考え方は養護教諭の見立ては、共通だと思います。だからと言って、訴えだけで判断することは専門職とは言えません。この教頭先生のおっしゃるように、適切なフィジカルアセスメントはとても重要です。インフルエンザ疑いの場合、主訴や身近な人の感染状況などの聞き取りだけではなく、熱はないか、脈拍は速くないか、のどは赤くないか、咳や鼻水はどうかなどを確認することは当然必要です。しかし、子どもによって訴えの程度や身体に現れる症状も異なります。子どもから得られる情報のみでなく、担任や家庭から様子を聞くことや、所属のクラスきょうだいや地域の感染状況を把握することも助けになります。客観的な事実を積み上げて、子どもの状態をアセスメントする必要があります。
それでも、学校で確実な診断をすることは不可能であることも事実です。学校における救急処置の基本に立ち帰ると、養護診断で重要なことは、「学習を継続できる状態か」の判断です。そう考えると、熱がないのにしつこく訴えを続ける生徒さんは、インフルエンザではなくても、何か学校にいたくない事情があるのかもしれません。熱がないからと引き留めても、おそらく、その後の授業は身が入らないはずです。今日のところは一旦帰らせて、また登校した時にじっくり話を聞く、という対応の方が良いのではないでしょうか。養護教諭が「自分の訴えを受け止めてくれた」という事実は、子どもにとって信頼できる大人の一つの条件になると思います。生徒との信頼関係の構築は、大切な長い目で見れば、半日の早退での損失以上の良い効果につながる可能性もあります。しかし、もしもインフルエンザでなかった場合、「嘘がバレない」という印象を与えることにつながる可能性もあります。担任や家庭と判断の根拠の共通理解を図ることは欠かせません。
もちろん、実際に帰宅後熱が出てインフルエンザだったということも考えられます。いずれにしても、養護教諭が判断したこと、その根拠をしっかりと担任や管理職、保護者に説明し、理解を得ることができるかがポイントです。子どもの体を診るフィジカルアセスメントの力を高めるとともに、丁寧に養護教諭としての見立てを伝えるコミュニケーション力を身につけましょう。
50歳代/静岡/養護教諭
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2023/12/02 09:28
こういう経験、私もよくあります。そして、担任教員からは「仮病なんじゃないの?」という声も。確実で丁寧なフィジカルアセスメントが必要なことはもちろんですが、疾患がないと思われる場合、私は、この子供はどうしてそんなに帰りたいのか?を考えるようにしています。簡単に仮病で片付けると見逃してしまう問題があるように感じています。しかし、とても悩むことではあるので、皆さんのご意見聞きたいです。
30歳代/新潟/養護教諭
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2023/12/01 10:41
結論から言いますと、教頭の言う「保健室の判断が甘い、簡単に早退させるな」というのが正解だと思います。
しかし、あなたは新採用ですし、いろいろな意味でベテラン養護教諭のような訳にはいかないでしょう。学生時代とは違い、社会(学校現場)で専門職として勤務し、お給料を頂くわけですからその責任は重いです。そして、あなたが他の学校職員から最も期待されているのは、やはり「フィジカルアセスメント」です。力不足でも、ここは譲れない。生徒のバイタルサインや症状をきちんと観察し、シビアに結果を出して報告しましょう。
私が中学生や高校生にしていた、インフルエンザや風邪などの身体診査の手順は次のようでした。@体温測定 A視診‥顔色。咽頭の炎症と痛みの有無。咳や鼻炎症状の有無。B触診‥脈拍測定。両下顎のリンパ腺の腫脹の有無。
これらを、おどおどせずに、医師がするように真剣な顔をして「喉の炎症はないようですね」などと言いながら診てあげます。必要あらば、聴診器を使って「気道の音を聞くから、息を吸って―」なども。生徒は「やっぱり保健の先生はすごい、嘘つけない」と思うのです。そして、準備しておいた「症状記録用紙」に結果を書き込んで、要早退の生徒を決める。症状があいまいな生徒は担任や保健主事にお願いして判断を依頼するのもいいでしょう。
いずれにしても、普段からフィジカルアセスメントの勉強、実践に努力し、より的確な養護診断の力をつけていくことですね。頑張ってください。
60歳代以上/海外/元養護教諭
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2023/11/08 15:52
一人が早退すると、他の生徒も早退したがる。えっ昨日はなんだったの?私も同じ経験があります。
中学生や小学生の場合、帰宅してから急に熱を出す子供もおり、症状を見極めるのは難しいと思います。感染症の流行期であれば、症状を訴えてきた場合、集団感染のリスクを考えると、嘘かも(本当にこの後発症するかどうかはわからないレベル)と思いつつも、帰宅させる判断はしょうがないと思います。私は中学校に勤めていますが、中学生でも、熱がない、でも、だるい、帰りたい、と言ってくる生徒がいます。他の生徒が帰ったという連鎖反応もあります。その場合は、教室での様子を担任に聞きます。えっさっきまで元気だったよと言われる場合も多いです。次に家庭に電話して、登校前の様子を聞きます。昨夜も朝も元気でした!と言われれば、急に症状が出るはずがないと思い、早退させない判断をしています。逆に今元気でも様子が異なるという情報を担任や家庭から得られれば判断材料にしています。
フィジカルアセスメントで判断する+その生徒の背景や直近の健康観察も参考にすると判断の精度が上がるのではないでしょうか?
50歳代/静岡/養護教諭
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