設問

教えて達人 - ネットde事例検討

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2022/11/14 10:50
【SLIPERより】
保健室に勤務する養護教諭の多くは「開かれた保健室」を心がけていると思います。しかし、「開かれた保健室」とは「誰でもいつでも用事がなくても行って良い」保健室なのでしょうか?
以前の「教えて達人」で「保健室が子どもたちの逃げ場所になっているので、管理職から普段は保健室を施錠し養護教諭は職員室にいて、必要に応じて開けてくださいと言われた」というテーマを取り上げたことがあります。2015年2月参照→http://b.ibbs.info/sliper/
用事のない子どもが保健室に集まりすぎると管理職などからこのようなことを言われることもあるでしょう。この投稿へのまとめでは「養護教諭の動きが学校のため、子どものためになっていることを学校全体に理解してもらうことが大切で、養護教諭としてどんな保健室経営をしたいのか、子どもや学校にどんな貢献ができるのかを明確にし、そのためにすることを他の教員や子どもにわかる言葉にし、説明することが求められている。保健室のルールを明示したり、保健室での子どもの様子を学校全体に伝えたりすることからスタートしてみよう」と回答しました。
この投稿から7年が過ぎました。保健室に行く時は、子どもが教室を出た時間や理由を教員が明記した用紙を持たせて、その用紙がないと保健室で対応しないという学校もありますし、同様に保健室を出た時間を書いた用紙を子どもに持たせて教員へ提出させる学校もあります。このような対応は「保健室来室者の管理」という側面とともに、「保健室との往復中に子どもが所在不明にならない」ことにも配慮しているのですが、気軽に保健室に行くことに制限をかけている可能性もあります。
養護教諭は保健室をマネジメントする責任者です。保健室に来た子どもの様子から「早急な対応が必要な子ども」「緊急性が高くはないが、何らかの対応が必要な子ども」「用事はないが来た子ども」などを判断して、保健室の混雑状況や学校の実態などから優先順位を決めて対応する必要があります。
そして、慌ただしい日々の中で今回の質問のように「保健室に入りたかったのに入れなかった子ども」を見逃さないためには、「保健室での養護教諭の机や立ち位置などを入口が見える場所にして廊下を通る子どもの様子に気を配る」「可能な限り保健室の外に出て教室や体育館などを巡回してこちらから声をかけてみる」などの工夫が必要です。
また、保健室の利用条件等や運用の仕方をルール化し、例えば「普段は誰でもいつでも来て良い保健室」だけど、「火曜日の昼休みだけは内緒の相談者のみの日」などにしてみると、人が大勢いると入れない子どもが来やすくなるのではないでしょうか。
そして、教職員全員に「保健室に行く子ども、保健室にいる子どもは全員、保健室来室が必要な子ども」という認識を持ってもらえるように、保健室の利用状況などを丁寧に周知していくことで、「開かれた保健室」の望ましい運営方法が見つかるのではないかと思います。

50歳代/静岡/養護教諭
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2022/11/12 21:04
私は養護教諭養成課程の授業で「いつでも、だれでも来てもいい。保健室もからだや心の勉強するところ!」というキャッチフレーズを掲げて
子どもたちに保健室を開いていました」という話をしました。その時に学生の感想の中に「いつでも、誰でも来てもいい!は理想とするところだろうけど、私はそのために苦しんだ。保健室に居場所を求めて行っていたが、ある時から元気な子どもたちに保健室を占領されてしまい、行き場所がなくなってしまった。」というものがありました。
 この学生の感想をもとに、養護教諭を目指す学生たちに議論をさせましたが、「いつでも、だれでも」と保健室を開いたときには、養護教諭はその意図するところを明確にし、この学生の経験したようなことが起きないような丁寧な子ども把握と対応能力が必要になってきます。
 開かれた保健室ほど、養護教諭の高度な判断力と対応能力が求められます。
 学生たちは、「開かれた保健室」は格好いいけど、養護教諭の力量が問われることに気付いたという授業の経験があります。
60歳代以上/東京/大学教員
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2022/10/22 16:36
開かれた保健室と言うとき、誰にとっての「開かれた」なのかを考えてほしいと思います。大勢毎日保健室に来室しているというとき、大概同じようなメンバーが来室していたりします。そのメンバーは保健室をどのように必要としているのか、本当に保健室でなくてはならないのか、用事はないのにたまり場となっているだけでなはいか、養護教諭がその辺を見極めることが必要ではないでしょうか。保健室を利用したくても心や体が弱っているとき、たった一言の声をかけられないときがあると思います。そんな児童生徒のために保健室は開かれたものでありたいのではないでしょうか。保健室利用のルール作りを全校に徹底することが大切だと思います。だからと言って厳格なルールで縛って、誰も行きたくなくなるような保健室では意味がありませんから、学校の規模によってのルールを作成し、自ら校内を回って声がけをしたり、保健室のあたたかな雰囲気作りをしていくことも大事なことだと思います。
40歳代/静岡/養護教諭
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2022/10/17 13:29
私も気軽の入れる保健室であることを心がけています。同じような経験もあるので、体調が悪い子や自己主張が苦手な子がが入りにくくならないような工夫を考え続けています。保健室のレイアウトから考えます。皆さんもしてきることばかりかと思いますが、書いてみます。保健室の入り口付近が見えるところに自分の机や椅子を配置しています。相談やなんとなく・・・と言う子がいる場所と救急処置の場所を分けています。衝立やカーテンなどで、その時の状況によって、部屋を区切ることもします。部屋の工夫以外では、普段から、保健室の外にも積極的に出ます。時々、廊下に出て子供に声をかけたり、教室をのぞいて様子を見たり、運動場などで遊ぶ子どもたちにも声をかけたりします。養護教諭は話しやすい人だと思ってもらえるように、子どもたちと知り合い関係を作ることをします。教員に対しては、開かれた保健室はなぜ必要なのか、その実現ために何をするのか、を明確にして、学校全体の体制として理解してもらえるように努力しています。
40歳代/富山/養護教諭
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2022/10/15 21:33
誰でも気軽に入れるように心がけていますというのは素晴らしいことだと思います。
実際には、誰かいると遠慮や気後れして入れない子どももいますので、保健室の外にも目配り、気配りが必要なのだと思います。私も誰がきてもいい保健室を心がけているので似たようなことは経験しています。本当に必要な子(体調の悪い子)が利用できない、だから、用事がある人しか行ってはいけない。このようなルールの学校もあると思います。私は、この用事というのは体調が悪いという意味になるので、このルールにすると、なんとなく保健室へ行くという子どもは行く場所がなくなってしまいます。そもそも元気な生徒は友人関係も良好であり、保健室に来ることはありません。ですから、体調が悪くないけど保健室に行く生徒は、何かある、声をかけていく必要のある生徒だと思います。こういった生徒も用事がある人と言えるのではないでしょうか。確かに優先順位はあります。体調が悪い人を見なければ本末転倒ですが、だからと行ってなんとなく保健室の生徒の利用を禁じるのは良くないと思います。
誰も取りこぼさない開かれた保健室になるといいですよね。

50歳代/静岡/養護教諭
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