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そこでまず明日早くからトモの方に出掛ける必要があるけれども、なかなか明日中には片付きそうもない。これもやはり四、五日は掛るであろうという予定であった。この間でもやはりぐずぐずして居るとどうも追手の着く憂があるのみならず、もうパーリーまでこういう者を捉えてくれという通知があればニャートンまでは夜通しでもじきに手紙が通じますから、私は到底自分の目的を達することが出来ぬ。何とか方法を運らさにゃあならんと思いました。 ところがその夜幸いに誰が連れて来たのか、どういう関係から出て来たのか分りませんが、ピンビタンの城を守って居る長官(シナの将校)の女房が診断を受けに来ました。此女はチベットの婦人でその婦人が長く煩って居るという。ちょっとヒステリーのような病気でありますが非常な美人で、なかなかシナの将校に対しては無限の勢力を持って居る。その将校は兵士に対してはもちろん命令を下す権力を持って居ますけれども、家族の中に在っては妻君が隊長で自分は兵卒となってその命令の下に従って居るという話をして居った兵士がありました。
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