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第百三十六回 いよいよ第五の関門 第五の関所に着く なにゆえニャートンの関門が危ないかというに、私の知って居る人が沢山居るからです。もちろん敵のような人は少しも居らぬけれども、元来チベット人は非常に銭儲けを好む質ですから、私の顔を見てチベットの役人にこうこういう者であると告げれば銭儲けになるという考えで訐く者があるかも知れぬ。英国人も二人居る。一人はミス・テーラーという女宣教師である。この人の事は前にもお話をしましたが、チベットの内地へ入ろうとしてシナの方から道を取ってナクチューカという所まで進んで来ました。 ここからチベットのラサ府までは馬で行けば十五日、歩いても二十日か二十四、五日かかれば着きます。ここまで来てとうとう謝絶された。もっともそこまでは訳なく来られることになって居るです。シナ領のチベットであるから。それから、こちらは法王領のチベットであるから進んで来ることを許されなかった。それがために後戻りをして、今チベット人を感化するの目的をもってこのニャートン駅に住居して居ります。ここは英領インドとチベットと境界を接して居る所で、チベット政府の官吏も居れば英政府の官吏も居るです。また貨物の輸出入を取調べるためにシナ政府から雇われてその駅に住んで居る英人もあり、その英人に付いて居るチベット人の書記もあります。
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