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偽物は偽物です その夜ガニマール探偵は小門の外を警戒していた。 十二時すぎになって果して怪しい一人の男が森から現われて、ガニマールの前を通り、小門から庭へ忍び込んだ。三時間ばかりの間、その男は僧院の近所をあちこちと歩き廻り、あるいは地上に屈んでみたり、あるいは円柱にのぼってみたり、あるいは一つ所に立ち止まって長いこと考えていたりしたが、やがてまた元のようにガニマール探偵の前を通っていこうとした。待ち構えていた探偵たちは突如組みついて捕まえた。曲者は少しも手向いをしなかった。しかしいざ調べる時になると、何を聞かれても答えなかった。判事が来れば分ることだというだけであった。月曜日の朝判事は着いた。ガニマールは曲者を判事の前に引き立てた。曲者はボートルレであった。 判事はボートルレを見て、非常に喜ばしげに両手を差し出して叫んだ。 「やあ、ボートルレ君!君のことは十分分りました。君はもういないのかと思いましたよ。」 ガニマールは驚いてしまった。ボートルレは判事にいった。
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