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前回の僕の手紙によって、映画俳優もまず俳優でなければならぬ、という前提を承認したうえで、俳優修業の第一歩を踏みだすために、劇団××座の研究所へはいったのだが、そこでは、もちろん舞台俳優を志す研究生の組が、いわば本科のような地位を占め、映画俳優の肩書をもったものは、それだけを一組として、まったく別個の扱いをうけている。これでは、いわゆる舞台俳優志望者の中に混って、その雰囲気に接する機会もなく、自然、新劇俳優のもつ理想と性格とから、芸術家として好もしい影響を受けることができないような気がする。仮に、講師の顔ぶれも同じ、講義も実習も、その課程においてたいした差はないとしても、なにか大事なものを、一方は身につけ、一方は、そこまでのことができずに終るのではないか、という懸念を打ち消すわけにいかぬ。
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