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俳優は、いわゆる俳優術とか演技とかいうテクニックを「教え」ることはできても、必ずしも、現代の俳優がおのづから身につけていなくてはならぬ一般的教養を「授ける」適任者とは言えますまい。そのために、俳優教育の一般課程として、演劇全般に関する諸問題を含めた、広い知識の伝達と、俳優の特殊な技術が要求する様々な肉体的、精神的の補助訓練が、それぞれ、その道の専門家によって行われる仕組になっています。 従って、俳優を志すものは、普通、新制大学の教養学部と称せられる学習課程のうえに、更に大学本科の専門講義及び演習に相当する課目の修得を必要とするわけですが、こういう「教育機関」の設置は、個人はもとより、一劇団、一会社の力では到底望み難きところですから、それゆえにこそ、今日まで日本では、近代的な意味での正統的な教育を受けた俳優というものは一人もいないのです。
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