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院長 や、お待たせしました。 海老子 たうとう連れて参りました。 院長 それはよかつた。一と通り案を立てて置きました。よくまたお話をした上で……。 海老子 はあ、どうぞ何分よろしく……。こちらは繭子と申しまして、麦太郎の姉でございます。 繭子 今度はまた弟が……。 院長 なに、心配なさらんでよろしい。御覧の通り、普通の学校です。家庭です。それと同時に倶楽部です。麦太郎君。そんな方を向いてないで、こつちへ来給へ。 麦太郎 (照れくささうに笑つてゐる) 海老子 お恥しいことでございますが、この年になつて、まだお辞儀といふものができないんでございます。 繭子 できないんぢやないわ、しないのよ。しないことにきめてるのよ。 院長 なにかわけがあるでせう。それに、わたしはお辞儀なんかして欲しくない。麦太郎君、君は学校の科目のうちで何が一番好きかね。 麦太郎 ……。 海老子 さあ、好きなものなんて、ございますか知ら……。 院長 一寸、黙つて……。え? なに? 麦太郎 まだなんにも云やしねえ。 長い間。 女事務員、茶を運んで来る。音楽止む。 院長 ぢや、麦太郎君との話はあとにして、何かまだ伺つとくことがあれば……。 海老子 はあ、それやもう、申し上げればきりがございません。何時ぞやお耳に入れましたことは、ほんの緒だけでございますから……。麦ちやん、お前もそこで聴いておいで。母さんが今から先生にお話しすることは、ただお前のためを思つてなんだからね。お前の今迄したことを、残らず先生に聴いていただいて、直すところは直していただくやうにしなけれやね。余計なことを云ふと思つて、母さんを恨んぢやいけないよ。それはさうと、先生、お眼をどうなさいました。<a href="http://xn--u9jxf0b3dt77t40obu0duyip0u.com/">薬剤師転職サイトランキング ※2014年度版</a>
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