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この完壁といっていいロシア近代劇の舞台は、私の今度の仕事の目標に違いない。 私ばかりが、そう独りぎめにきめていても、俳優の一人一人がみんなその気になってくれなければ困ると思い、幸い好い伝手があったので、「モスクワ芸術座の名優たち」という記録映画を座員一同打揃って見学した。誰も彼も感嘆の叫びをあげた。言葉はわからぬながら、カチャロフの男爵をはじめ、名優たちの名演技は、まことに神品の名にそむかぬものであった。事の序に、フランスで作った映画の「どん底」も古いフィルムを借りて来て観た。この方はジュヴェが男爵に扮し、ギャヴァンがペーペルの役で出ているが、誠につまらぬ映画のようにおもわれた。
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