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わが国の場合を考へてみると、専門の劇作家として生涯を送つたのは、おそらく、名もなき座附作者をのぞけば、河竹黙阿弥が最後の人ではないかと思ふ。坪内逍遥や岡本綺堂はやゝそれにちかいかも知れぬが、私に言はせると、これは「現代作家」の列に加へていいかどうか疑問である。 小山内薫と森鴎外は、共に新作家を刺激して戯曲の開花時代を招いたが、その時以来、多くの有望な新進戯曲家が、登場したにも拘はらず、いづれも、中途で劇作の筆を止めてしまふか、さもなければ、たまに雑誌への責ふさぎに戯曲を書く気になるか、そのいづれかである。
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