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菊池寛、山本有三、久米正雄、武者小路実篤、久保田万太郎の五人が轡を並べて劇文壇にその才を放つた時代は大正初業から中期にかけてである。震災直後から昭和にはいつて、再び戯曲界が活気を帯び、前記の諸氏は別として、小説家で戯曲を書きはじめた人も多く、新しく劇作をひつさげて文壇にデビユウするものが可なりあつた。或は世人の記憶に遠くなつてゐるかもわからぬから、それらの名前をざつと挙げれば、小説家として戯曲をいくつか発表したのは、佐藤春夫、正宗白鳥、室生犀星、谷崎潤一郎、長与善郎、横光利一、舟橋聖一、池谷信三郎、等であり、新進戯曲家としては、関口次郎、高田保、金子洋文、鈴木泉三郎、藤井真澄、水木京太、能島武文等があつた。私も、その頃、第一作を演劇新潮といふ雑誌に発表する機会を与へられたのである。
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