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さて、第三の外国トオキイの影響については、事、微妙であつて、すこし独断になるかも知れぬが、私は、ほんとの影響とは、実はさういふものではないかと思ふ。誰が、どんな作品で、外国トオキイの影響をみせてゐるなどと言へるやうなものではない。そもそもトオキイが輸入されはじめた頃から、われわれは、外国俳優の演技に直接ふれることができたわけである。外国戯曲を読んで、極く肝腎なところ、その作品の演劇的な本質ともいふべき部分は、おほかた見落されてゐるのが普通であつた。翻訳劇上演といふ勉強の好機会はあつても、実は、日本の俳優では、その肝腎なところの、また微妙なところが、どうにもならぬ状態で残されてゐたのである。
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