コピー
奥で、「あ、さう、さう」といふらくの声。 悦子 球なんか自分で替へなさいよ。 そのうちに、らくが、電球を持つて現はれる。 らく これでよろしいでせうか。 愛子は引つたくるやうにそれを受け取つて、すかしてみる。 愛子 駄目よ、これ、二十四ワツトぢやないの? 四十でなきや、暗くつて、字も読めないわ。 一寿 (娘のやや粗雑な言葉の調子を聞きとがめ、しばらく、ぢつと眼をつぶつてゐるが、やがて)おい愛子、それから悦子、お前たちに云つておくがね……。(長い間)この女は、もう雇人ぢやないんだよ。 この突然の宣言に、女たち三人は、それぞれの驚き方で、すくむやうに後退りをしながら、互に妙な会釈を交す。
TOPに戻る
-
iboard BASIC
-