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順序として、この問題を説くために極めて示唆に富む一つの事実をあげておきたい。それは眼科医学のある書物をみると、「ヒステリイ性弱視」といふ病名が出て来る。これには「外傷性神経症」といふ別名がついてゐるが、要するに、その症状にはいろいろあつて、その中で特に興味のあるのは、「視野狭窄」である。これにも、求心性視野狭窄、円筒状視野狭窄、螺旋状視野狭窄、などといふ様々な症状がある。これは、一見普通の眼でありながら、普通の視野のなかにはいつてゐるものがどうかすると見えない。見えなければならない筈のものが見えないといふ一種の視力変調をいふのであつて、求心性は一定距離に於ける左右上下の視野が交互にその一方中心に向つて狭められること、円筒状は、遠くはなれても視野の幅がおなじだといふもの、螺旋状は一定距離に於ける視野が視力試験中だんだん狭まつていくもの、である。
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