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そこで、この「眼科」でいふ「ヒステリイ性弱視」であるが、これはまづ「畸形的」と名づけることができるらしい。そこで、もう一歩進んで、一般精神機能、殊に、例へば、思考法とか、感受性とか、注意力とか、さういふ「心のはたらき」の上でも、「ヒステリイ性弱視」なる病名がぴつたりあてはまる一つの「畸形的」症状が考へ得られるのである。 普通よく人物評などで「視野」が広いとか狭いとか云ふが、これも時によると、その「狭さ」の性質、程度によつては、この症状のあらはれかもしれぬが、それとはまた別個に、例へばすべてのことを自己中心、自分本位にしか考へられぬとか、一事をもつて万事を律したがるとか、あることに気をとられるとほかのことはまつたくお留守になるとか、は、明らかにこの「ヒステリイ」の徴候とよく似てゐる。少くとも、「ヒステリイ性心理的弱視」と呼ぶにふさはしい畸形的現象に相違ないのである。
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