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「平衡」の感覚は、当然、かゝる風俗を時代と共に淘汰すべきものなのに、われわれは、いくぶん、それと気づいてゐて、瘠我慢を張つてゐる傾きがないであらうか。これもたしかにある。その理由は、あまりに多くのことが「平衡」を失してゐるために、なにかひとつのことだけに骨を折るのは、骨の折り甲斐がないといふこと、ついでに我慢してしまへといふことなのである。これはお互にいちばんわかる気持だが、この「我慢してしまへ」がそもそも「我慢のできる程度」と感じてゐる証拠なのであつて、それがもういくぶん麻痺状態に陥つてゐることであり、更に、これから次第に完全な不感の徴候をあらはして来る前提である。
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