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「お母さんは、そんなにこぼしてるかい?」 「うゝん、それがそうでもないから、あたしなお情けなくなるの。なんとかしてあげられないか知ら?」 真喜の調子は意外なほど真剣であつた。 「まあ、待てよ。お前がそういつたつて、お母さんがそれを承知しなけれや、どうにもなるまい。お前はそれより、自分の将来のことを……」 と、言いかけるのを、真喜はみなまで聞かず、 「えゝ、それやわかつてるわ。あたしは、多津姉さんとも、美佐姉さんともちがつてよ。大事な青春を特定の男性に捧げるなんて、バカなことはしないわ」 昂然と言いはなちはしたが、その言葉には自分でも多少の誇張があることを認めるらしく、あとは、舌を出してごまかしてしまつた。
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