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問題の要点がわきへ外れたが、近頃、表現派の戯曲を書く人が日本にも出て来たやうである。酔払ひや狂気の囈言を真似ても、それや、かまひはしませんが、余程上手に真似ないと、つい正気で物を云つてしまつたりなどする。正気で物を言ふと、つい人にも解つて、それが面白くなければ「不可解の魅力」も生じないわけで、一寸困るのです。 福田恆存君の戯曲「キティ颱風」を読んで非常に面白かつた。 いろいろな先入観をもつてこの作品を読むひともあるだらうが、私もその一人であつたことを告白する。その第一は、福田君が自他ともにゆるす批評家であるといふこと、第二は、既に幾月か前に、甚だ風変りな戯曲「最後の切札」を発表し、いささか鬼面人を脅かすかの如き野心を示したこと、が、その理由として挙げられる。
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