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大蔵とは骨を除散するを本体とするものであるが、「若し骨を以て墓に置かば亦其の意に任すなり」とあって、その遺骨を墓に置く場合もあったのである。この場合には、その遺骨の為に新たに墓を造ることもあろう。また前からある墓中にそれを置く場合もあろう。しからばこの骨を墓に置くという大蔵の一種の場合と、普通の埋葬や合葬との間に、どんな区別があったのであろうか。けだし普通の埋葬や合葬とは、屍体をそのまま墓に置く場合を云い、大蔵という方は、皮肉を去った骨をそれに置く場合を云ったのだと解せられる。既に骨という。必ず洗ったか焼いたかしたものであらねばならぬ。屍体を焼き、或いは骨を洗う事の古くあった次第は前項に述べた。令に所謂大蔵が洗骨であったか、或いは火葬であったかは、今これを詳かにし難いが、ともかく遺骨を葬らずして蒔き散らし、或いはこれを墓に置いたという事実の、古く存在した事は疑いを容れぬ。
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