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私の部落の歴史に関する研究は、もともと単に私の学問的欲求のためで、そのほかにはなにものをも有しないのでありました。しかしながら私はこの研究のために、いわゆる「部落をよく知った」結果として、私個人としては同情の念に、また一般世間の一人としては反省の念に、自然はなはだしく動かされたのであります。したがって私はこれを単なる学問的研究のみに止どめずして、さらにこれを広く世間に宣伝して、幾分でもその解放上に貢献したいものだと希望するに至ったのであります。もちろんそれは何人から頼まれたのでもなければ、また職務上からやっていたのでもなく、もちろんこれによってなんら自身の利益を求めようとしたのでもありません。ただ私は、単に私の心の命ずるままに行動したのにすぎないのであります。
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