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しかるに初め私のこの動機がまだよく世間に諒解せられない頃には、しばしば世人から変な目をもってみられたものでした。ある人はいいました。「喜田は自分の雑誌を売ろうとして、あんなことをやっているのであろう。」と。これはたしかに融和改善を事業とする某氏の口からも出たと聞きました。さらにある人はいいました。「喜田はおそらく部落出身者であろう、そうでなければ喜田の細君が部落出の女であろう、そんなことででもなければ、あんなよけいなことに熱心になるはずはない。」と。これはしばしば懇意な人々から内報を受けたことです。そしてその内報者の中には、さらに親切にもこんな忠告を与えてくれた人もあります。
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