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私たち、つまり役人は、しょっちゅう、しかも第一番目に訴訟当事者たちと接触する案内係は、第一印象をよくするために、身なりもスマートでなければならない、と同じように思っています。私たちほかの者は、私をごらんになればすぐおわかりと思いますが、残念ながらたいへん粗末で古風な身なりをしています。着物にお金をかけることなんか、たいして意味もありませんわ、だって私たちはほとんどいつも事務局にいて、ここに寝泊りまでするんですもの。でも、申上げたとおり、案内係はりっぱな着物がいる、と私たちは等しく思っています。ところがその着物は、この点でいくらか変なんですが、お役所からは支給されませんので、私たちはお金を集め――訴訟当事者にも寄付していただき――この人にこんなきれいな着物やまたほかのやを買ったんですわ。今では万事が整って、よい印象を与えることもできるのに、この人ったら笑ってはまた台なしにしてしまい、人を驚かすんですのよ」 「そりゃあそうだが」と、男はあざけるように言った。「君、なぜこの人にわれわれの内幕を洗いざらいしゃべるのか、あるいは全然聞きたくもないのに無理に聞かせるのか、私にはわからないね。いいかい、この人は明らかに自分の用件があってここに来ているんだからね」
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