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役に立ち信用がおけるということを見て取ったでもあろうし、そのうわさが近所にも拡まって、おそらくすぐどこかに下僕として住むことになったろうと思われる。もちろん、そんななりゆきは城の役所の眼を逃がれることはなかったろう。だが、夜中に自分のために中央事務局か、あるいはそのほかの電話のそばにいた者がゆすり起こされ、その場ですぐ決定を下すように迫られ、しかも表面は謙虚そうだが、じつはうるさいくらいしつっこく要求され、その上その相手が上の人びとからはおそらく嫌われているシュワルツァーであった、というのと、それともこんな手順とはちがって自分が翌日になってから執務時間中に村長をたずね、自分はよそからきた旅の若者だが、これこれの村の住人のところにすでに泊っていて、おそらくあすはまた出発していくだろうと申し出るのとでは、その二つの場合に大きなちがいがあったのだ。ただし、そうやって申し出たとしても、まったくありそうもない事態になってしまい、自分がこの土地で仕事にありつくというようなことがなかったとしての話だ。
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