コピー
万事は、自分の知っている限りでは、ほんとうにうまく終ったのだが、それからあんな事故が起ってしまった。しかし、その前に起ったことを考えてもらえれば、そんなことをだれもほとんどこの自分の罪には数えることができないはずだ。残念なことに、ただエルランガーとビュルゲルとだけしか自分のそんな状態を知っていなかった。あの二人の人ならそういうこちらの状態を考えてくれ、あれから起ったようなすべてのことを防いでくれたことだろうが、エルランガーはおそらく城へいくためだろうが、聴取のあとですぐ出かけなければならなかったし、ビュルゲルはおそらくあの聴取に疲れて果てて――だから自分もまいってしまわないで頑張り抜くことがどうしてできただろうか――眠りこんでしまい、あの書類配分のあいだもすっかり寝過ごしてしまったくらいなのだ。もし自分がそれと同じように眠ってもよかったならば、自分はその機会をよろこんで利用して、禁じられているのにあんなふうにかいま見るというようなことはすべて断念したことだろう。断念するということは、自分はほんとうはねぼけまなこで全然ものを見ることができなかったくらいだから、いっそうたやすかったのだ。だから、あの神経質な人びとも何一つはばからずに自分の前に姿を見せてもよかったのだ。
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