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損をしながら事業を継続するという事は、永続するものではない。それゆえ私は決して金もうけが悪いとは言わぬ。ただ金もうけにさえなればなんでもするという事は、実業家たる責任を解せざるものだ、と批評するだけの事である。少なくとも自分が金もうけのためにしている仕事は、真実世間の人々の利益になっているという確信、それだけの確信をば、すべての実業家に持っていてもらいたいものだというのである。 思うにすべての実業家が、真実かくのごとき標準の下にその事業を選択し、かくのごとき方針の下にその事業を経営し行くならば、たとい経済組織は今日のままであっても、すべての事業は私人の営業の名の下に国家の官業たる実を備え、事業に従う者も名は商人と言い実業家と言うも、実は社会の公僕、国家の官吏であって、得るところの利潤はすなわち賞与であり俸給である。かの経済組織改造論者はすべて今日私人の営業に属しつつあるものをことごとく国家の官業となし、すべての人をことごとく国家の官吏にしようというのであるが、個人の心がけさえ変わって来るならば、たとい経済組織は今日のままであっても、組織を改造したるとほとんど同じ結果が得らるるのである。
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