コピー
頭脳の鋭敏なる読者は、私が貧乏退治の第一策として富者の奢侈廃止を掲げおきながら、その第一策を論ずる中に、私の話は一たびは富者を去って一般人のぜいたくに説き至り、さらに消費者責任論より生産者責任論に移りしを見て、ことに私の脱線を怪しまれたであろう。しかしこれはただ論を全うするためで、私の重きを置くところは飽くまで、富者の奢侈廃止である。 すなわちこれを生産者の責任について論ぜんか、すでに述べしがごとく、需要と生産との間にはもとより因果の相互関係ありといえども、しかもそのいずれが根本なりやと言わば、需要はすなわち本で、生産はひっきょう末である。されば社会問題の解決についても、消費者の責任が根本で、生産者の責任はやはり末葉たるを免れぬ。何ゆえというに、極端に論ずれば、元来物そのものにぜいたく品と必要品との区別があるのではなくて、いかなる物にてもその用法いかんによって、あるいは必要品ともなりあるいはぜいたく品ともなるからである。
TOPに戻る
-
iboard BASIC
-