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私が貧乏退治の第一策というは以上のごときものである。思うにもしここまで読み続けられた読者があるならば、中には実につまらぬ夢のごときことを言うやつじゃと失望されたかたもあろうが、私は自叙伝の作者たるゼー・エス・ミルになろうて、それらの読者には、ひっきょうこの物語は自分らのために書かれたものではないのだと思って勘弁してください、と申すよりほかにしかたがない。しかも万一前後の所論につきこの物語の著者と多少感を同じゅうせらるる読者があるならば、それらの読者を相手に私は今少し述べたいことがある。 私は先に消費者としてまた生産者としての各個人の責任を述べ、ひいて経済と道徳との一致を説いたが、これにつけて思い出さるるは、中庸の「道は須臾も離る可からず、離る可きは道に非ざる也」の一句である。
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