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有名なる大演説はこれで終わった。しかし彼ロイド・ジョージの仕事は決してこれで終わったわけではない。 俊傑ロイド・ジョージは恐るべき大英国の敵を国の内外に見たのである。すなわち彼は、英国の海岸を外より脅かさんとせるドイツの恐るべきを知ると同時に、国家の臓腑を内より腐蝕せんとする貧困のさらに恐るべき大敵たることを発見したものである。されば彼は軍艦を造ると同時に、あらゆる方面において社会政策の実行を怠らなかった。その社会政策の実行が、彼のことばを借りて言えば、許しおくべからざる貧困に対する一の大戦争であるのである。それゆえ彼は、一九〇九年、平和の時代にかくのごとき重税を課することを要求した大蔵大臣はかつてその例がないという非難を冒すことをあえてして、諸種の増税計画をなし、その編成せし予算案をば自ら名づけて戦争予算であるといっているのである。
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