[PR]おすすめゲイコミュニティ
387.米原
>>386 正月も終わり、お屠蘇気分も抜けかけた頃、ある動画がネット上で話題を集めていた。「ブラック企業こわ!」「この人、職場にいられるの?」「いや、ただの露出狂だろw」様々なコメントと共に恐ろしい勢いで視聴回数が増してゆく動画があった。
約30分ほどのその動画は、どうやらどこかの企業の忘年会の様子を映したもののようだった。「裸芸四人衆」オープニングタイトルとともに宴会場と思われるステージの幕が上がると、全裸の男が4人仁王立ちしていた。
1人は緑色の競泳パンツ1枚の姿で。もう1人は股間だけをぎりぎり覆い隠すだけの風変わりなパンツを身につけて。もう1人は全裸に銀色のお盆で股間を隠したまま。もう1人はこちらに背中を向けて、後から見ると全裸にしか見えないポーズで。
やがて場面は変わって、先ほどの海パンが「そんなの関係ねえ!」と拳を振り上げている。そうかと思えば、「安心してください、履いてますよ」と変わったパンツの男が股間を指差す。ひと際笑い声が大きかったのは、1人がお盆を持ち、もう1人が全裸で縄跳びをし、お盆がずれて股間が丸見えになるシーンだった。赤く剥けあがった亀頭がちらっと写り、最後はお盆を落として男性器を衆目に晒して、大爆笑が起こった。
やがて歓声が落ち着くと、今度はこちらに背中を向けていた男が、やはり背中を向けたままステージ脇からカニ歩きでステージ中央まで移動してきた。そして、くるっとこちらを振り返った瞬間、悲鳴が起こった。男は何一つ身につけていない完全な全裸だったのだ。陰毛には小さなアフロのようなものがついてあり、男性器そのものは大き目で、皮がすっぽり被っている状態だった。
悲鳴の中、男が何やら叫んでいる。よく聞き取れない。男の顔は酔っているようで、ひどく紅潮した顔で、ヤケになって叫んでいるように見える。よく見ると、手にはビールグラスを持っており、それを男性器の真下に移動した。もしや・・・。
「今から一番搾りやります!」
そう叫んで男はビールグラスに放尿し始めた。ざわめきが止まらない。やがて男はむせながら、その液体を飲み干した。
場面が変わった。男が自分の性器の先を摘み上げ、皮を伸ばしている。皮がひどく伸びて、性器が倍ほどの長さになったように見える。
「いやー!引っ張らないでーーー!」
男は自らの性器を引っ張りながら、そう叫び、ステージから宴会場を走り始めた。かなり広い宴会場だ。百人単位での宴会だろう。皆が浴衣姿の中、一人全裸の男が突っ込んでいく。笑って尻を叩こうとするおやじ、両手を叩きながらひどく興奮している若手、顔を手で多いながら逃げる女子、料理を運ぶ戸惑う給仕の女性。
会場を一回りすると、男は引きつったような笑顔でステージに戻った。
「変身ーーー!」
再度、男の叫びが聞こえ、男は陰毛部分につけられたアフロを握り、高々と持ち上げた。アフロが何かの宴会グッズのようなもので、自毛でないことは映像からもわかったが、驚くべきことに、その下にあるはずの本来の自毛―――陰毛がなかったのだ。恐らく、きれいに剃りあげたのだろう。そして、その部分には「ちん毛」という文字が書かれていた。
急に男は走り始めた。男の行く先には数人の女子がいる。恐らく同じ会社の女子社員だろうが、全裸にパイパンで「ちん毛」などと書いて突っ込んでいくのは相当恥ずかしいだろう。
「女子のみんな見て見てーーー!」
カメラが宴会場を移動し、男を追う。女子数人が逃げ場を失って、しゃがみこんでいる。男は「ちん毛」と書かれた先の自分の性器をいじっている。オナニーしているようにしか見えない。
「今から一発芸、勃起戦艦ヤマトやります!」
男は必死に勃起させようとしているようだった。男の周りにはおやじ達が群がって、ふざけて尻や乳首をいじっている。女の「やだー」という声が聞こえた。
何かのスイッチが入ったのか、ある瞬間から男の性器は急激に勃起し始め、すぐに完全に大きくなった。男のそれは勃起しても皮を被っており、その大きさとのアンバランスさが不思議な雰囲気を醸し出している。まるで夏祭りで子どもが遊ぶ水風船のようだ。
「さらばーちん毛よーーー♪」
男は替え歌を歌いながら性器を緩やかに揺らしながら宴会場を練り歩く。男の同僚だろうか、同じくらいの年の男数人がにやにやしながらスマホを向けている。もし、同僚だとしたら相当恥ずかしいだろう。この映像は永久に記録され、そしてことあるごとに蒸し返されるのだ。
場面は変わって男がステージの上で尻を向けている。
「シャッターチャンスです!皆さん撮ってくださーーーい!」
男は両手で自らの尻たぶを広げ、その中心の穴を観客に晒している。
「いきまーーす!3、2、1、発射!!」
その瞬間、ぶーっと音が聞こえて白い粉末が発射された。よく見ると、ステージに空気を入れるポンプのようなものがあり、男は肛門から何かの粉と空気を仕込み、放屁したようである。再び会場は悲鳴に包まれ、おやじの笑い声とぱらぱらとした拍手も聞こえた。
カメラのアングルが変わって、男を正面から映している絵に変わった。しかし男は1人ではない。男は両手を後頭部にくっつけて、苦しそうな顔をしている。海パン一丁の男が右の乳首を、風変わりなパンツの男が左の乳首を手で刺激している。そして、まだあどけなさの残る若い男がしゃがみこんで男の包茎をしごいている。間違いない、射精をさせようとしているのだ。
会場は不思議な静けさに包まれていた。先ほどまでの悲鳴や雄叫びが嘘のようだ。時折くすくすと噛み殺した笑い声が聞こえてくるが、皆がことの成り行きを見守っているようだ。男の顔がより一層苦しそうになる。しかし、これは一体何の芸なのだろう。
「いっ、いくーーー!」
男の呻き声と同時に若い男の手が激しくなり、包茎の先端から白い液体がびゅっびゅっと飛び出した。
「うおー」「ははは」「信じらんなーーーい」というようなざわめきに会場全体が支配され、やがてぱちぱちと拍手が大きくなった。映像はステージ上の零れ落ちた白濁液をアップし、そして放心状態の男の表情を写し、最後にぐいっと隆起した包茎の先端から覗く亀頭を写し、終わった。
センター長からの言葉は衝撃だった。今度の忘年会で、うちのチームは全員裸芸をやれというのだ。
昨年の忘年会は北関東の温泉旅館で行った。総勢200人くらいだっただろうか、大広間に皆集まり、お決まりの挨拶の後は、酒宴だった。そしてセンターごとに一芸披露の催しがあるのだ。うちのセンターの宴会芸はお寒い限りだった。どうやらセンター長がそのリベンジをしたいらしいのだ。
普段は自分達のセンターで20人程の規模で和気あいあいと働いている。男が多い職場だが、総務や経理の女子もいる。それぞれのセンターが集まって、忘年会は合同で行われる、かなり大規模なものだ。その場で裸になるだけでも勇気のいることだが、さらに芸を行うなど、どれだけ赤面するかわからない。もちろん女子社員も見ているのだ。自分にできるだろうか。
うちのチームは4人だ。年齢的には自分が下から2番目。センター長室で4人で直立し、様々な思いを巡らせていた。どんな役回りになるのだろう。
「おまえは小島よしおをやれ!で、おまえはとにかく明るい安村だ!」一番上の先輩は海パン一枚で小島よしおの「そんなの関係ねー」、二番目の先輩は「安心してください、履いてますよ。」をやらされることになった。
「まあ、小島はそのままでいいとして、おまえは「とにかく暗い安達」としてこれで履いてやれ!」安達先輩は小さな布きれを渡された。
「これ・・・?ですか?」布を手にした安達先輩の顔が青ざめる。それはとてもパンツと呼べるものではなく、筒状になっていて、ぎりぎりチンポを隠すだけのものだ。もちろん陰毛は隠しきれるはずもなく、下手に動いたらぽろっと落ちてしまいそうだ。ゴーゴーボーイがお客を誘うために履いているような、そんな雰囲気の代物だ。
青ざめる安達先輩を気にすることなくセンター長は続けた。
「おまえは、一番下しただからな、喜べ!アキラ100%だぞ。」まだ入社1年目の後輩がアキラを指名された。
「もちろん、フルチンでやれよ。で、最後にわざと失敗しろ。そこで笑いを取れ。」センター長からの命令は厳しかった。200人の前で全裸、しかもチンポを晒せというのだ。後輩の顔が緊張で赤くなる。小声で「がんばります」と呟くのが聞こえた。職場の風呂でいつも見ている後輩のぷるんとしたチンポが脳裏に浮かぶ。あれが皆に晒されるのか。しかし、なぜ自分の順番が飛ばされたのだろう。
「お待たせ、おまえはこれだ。」センター長からA4の冊子を手渡された。タイトルに「輝く世界の包茎マン」とある。嫌な予感しかしない。なぜ、自分だけ台本付きなのだろうか。
「お前がうちのチームのとりだ。気合い入れて頼むぞ。俺が考えたんだ。おまえ確か前に風呂で見た時、包茎だったよな?体張ってくれ、頼むぞ!」
恐る恐るページを開く、文字の断片が飛び込んでくる。「・・・引っぱって宴会場を・・・」「・・・両手で・・・押し広げ・・・」「・・・ビールグラスに・・・」「・・・女子の前に移動したら・・・」くらくらとめまいがしてくる。これは現実だろうか。
「設定があるんだがな、過激すぎてテレビに出られない芸人って設定だ。大き目の包茎じゃないと絵にならないんでな、おまえしかおらん。ちゃんと練習しとけよ!」センター長の声が遠くに聞こえるように感じた。
その日は衝撃で、あまり仕事が手につかなかった。家でじっくり台本を読んでいて、手が震えた。これは宴会芸の披露というより自分の人格を崩壊させるために仕組まれた被虐のショーだ。いくらセンター長の命令とはいえ、二つ返事で「はい、がんばります!」という訳にはいかない。明日、センター長に相談してみよう。そして、断ろう。
翌日、意を決してセンター長室の扉をノックした。
「おう、入れ。」
センター長はなにやらパソコンをいじっていた。
「どうだ、練習しとるか?そうそう、あいつは小島よしおだけじゃつまらんので、アキラ100%のお盆持つ係にしたぞ。まあ、わざと新人のチンポを見せる係だな、がはは。」
自分は思い切って切り出した。裸になるのならまだしも、自分のそれは度が過ぎている。全裸になった上、大勢の前でチンポをおもちゃにして、しかも・・・。
また、何故一番年下の後輩ではなく、自分が「輝く世界の包茎マン」とやらをやらなくてはならないのか。
センター長はちょっと渋い顔になった後、
「これ、ちょっと見てみ。」
と自分を近くに呼んで、パソコンの画面を指差した。恐る恐る近づき画面を覗くと、URLがらしきものが羅列されていた。
「これはおまえのPCのログだ。若いとはいえ、ちょっとアダルトサイト見過ぎじゃないか、勤務中に。本部にチクったらおまえ、間違いなくクビだろうな。」
どきっとした。息抜きのつもりでこっそり見ていたものだが、ばれていた。シークレットモードにしていたのに。
「あと、これな!男と男の出会いの掲示板って何だこれ?おまえこんな趣味あったのか?」
「いや、それは!たまたま間違えて押しちゃって!」
「そうか、それにしてはだいぶ長く閲覧してなあ。・・・変な噂が流れたらおまえも困るんじゃないか?」
後輩の呆れた顔が浮かんでくる。興味本位で何となく見ていただけなのだ。でも見ていたのは事実だ。
「やってくれるよな?よし、今から俺が稽古つけてやろう。まず、服を全部脱いで・・・。」
約30分ほどのその動画は、どうやらどこかの企業の忘年会の様子を映したもののようだった。「裸芸四人衆」オープニングタイトルとともに宴会場と思われるステージの幕が上がると、全裸の男が4人仁王立ちしていた。
1人は緑色の競泳パンツ1枚の姿で。もう1人は股間だけをぎりぎり覆い隠すだけの風変わりなパンツを身につけて。もう1人は全裸に銀色のお盆で股間を隠したまま。もう1人はこちらに背中を向けて、後から見ると全裸にしか見えないポーズで。
やがて場面は変わって、先ほどの海パンが「そんなの関係ねえ!」と拳を振り上げている。そうかと思えば、「安心してください、履いてますよ」と変わったパンツの男が股間を指差す。ひと際笑い声が大きかったのは、1人がお盆を持ち、もう1人が全裸で縄跳びをし、お盆がずれて股間が丸見えになるシーンだった。赤く剥けあがった亀頭がちらっと写り、最後はお盆を落として男性器を衆目に晒して、大爆笑が起こった。
やがて歓声が落ち着くと、今度はこちらに背中を向けていた男が、やはり背中を向けたままステージ脇からカニ歩きでステージ中央まで移動してきた。そして、くるっとこちらを振り返った瞬間、悲鳴が起こった。男は何一つ身につけていない完全な全裸だったのだ。陰毛には小さなアフロのようなものがついてあり、男性器そのものは大き目で、皮がすっぽり被っている状態だった。
悲鳴の中、男が何やら叫んでいる。よく聞き取れない。男の顔は酔っているようで、ひどく紅潮した顔で、ヤケになって叫んでいるように見える。よく見ると、手にはビールグラスを持っており、それを男性器の真下に移動した。もしや・・・。
「今から一番搾りやります!」
そう叫んで男はビールグラスに放尿し始めた。ざわめきが止まらない。やがて男はむせながら、その液体を飲み干した。
場面が変わった。男が自分の性器の先を摘み上げ、皮を伸ばしている。皮がひどく伸びて、性器が倍ほどの長さになったように見える。
「いやー!引っ張らないでーーー!」
男は自らの性器を引っ張りながら、そう叫び、ステージから宴会場を走り始めた。かなり広い宴会場だ。百人単位での宴会だろう。皆が浴衣姿の中、一人全裸の男が突っ込んでいく。笑って尻を叩こうとするおやじ、両手を叩きながらひどく興奮している若手、顔を手で多いながら逃げる女子、料理を運ぶ戸惑う給仕の女性。
会場を一回りすると、男は引きつったような笑顔でステージに戻った。
「変身ーーー!」
再度、男の叫びが聞こえ、男は陰毛部分につけられたアフロを握り、高々と持ち上げた。アフロが何かの宴会グッズのようなもので、自毛でないことは映像からもわかったが、驚くべきことに、その下にあるはずの本来の自毛―――陰毛がなかったのだ。恐らく、きれいに剃りあげたのだろう。そして、その部分には「ちん毛」という文字が書かれていた。
急に男は走り始めた。男の行く先には数人の女子がいる。恐らく同じ会社の女子社員だろうが、全裸にパイパンで「ちん毛」などと書いて突っ込んでいくのは相当恥ずかしいだろう。
「女子のみんな見て見てーーー!」
カメラが宴会場を移動し、男を追う。女子数人が逃げ場を失って、しゃがみこんでいる。男は「ちん毛」と書かれた先の自分の性器をいじっている。オナニーしているようにしか見えない。
「今から一発芸、勃起戦艦ヤマトやります!」
男は必死に勃起させようとしているようだった。男の周りにはおやじ達が群がって、ふざけて尻や乳首をいじっている。女の「やだー」という声が聞こえた。
何かのスイッチが入ったのか、ある瞬間から男の性器は急激に勃起し始め、すぐに完全に大きくなった。男のそれは勃起しても皮を被っており、その大きさとのアンバランスさが不思議な雰囲気を醸し出している。まるで夏祭りで子どもが遊ぶ水風船のようだ。
「さらばーちん毛よーーー♪」
男は替え歌を歌いながら性器を緩やかに揺らしながら宴会場を練り歩く。男の同僚だろうか、同じくらいの年の男数人がにやにやしながらスマホを向けている。もし、同僚だとしたら相当恥ずかしいだろう。この映像は永久に記録され、そしてことあるごとに蒸し返されるのだ。
場面は変わって男がステージの上で尻を向けている。
「シャッターチャンスです!皆さん撮ってくださーーーい!」
男は両手で自らの尻たぶを広げ、その中心の穴を観客に晒している。
「いきまーーす!3、2、1、発射!!」
その瞬間、ぶーっと音が聞こえて白い粉末が発射された。よく見ると、ステージに空気を入れるポンプのようなものがあり、男は肛門から何かの粉と空気を仕込み、放屁したようである。再び会場は悲鳴に包まれ、おやじの笑い声とぱらぱらとした拍手も聞こえた。
カメラのアングルが変わって、男を正面から映している絵に変わった。しかし男は1人ではない。男は両手を後頭部にくっつけて、苦しそうな顔をしている。海パン一丁の男が右の乳首を、風変わりなパンツの男が左の乳首を手で刺激している。そして、まだあどけなさの残る若い男がしゃがみこんで男の包茎をしごいている。間違いない、射精をさせようとしているのだ。
会場は不思議な静けさに包まれていた。先ほどまでの悲鳴や雄叫びが嘘のようだ。時折くすくすと噛み殺した笑い声が聞こえてくるが、皆がことの成り行きを見守っているようだ。男の顔がより一層苦しそうになる。しかし、これは一体何の芸なのだろう。
「いっ、いくーーー!」
男の呻き声と同時に若い男の手が激しくなり、包茎の先端から白い液体がびゅっびゅっと飛び出した。
「うおー」「ははは」「信じらんなーーーい」というようなざわめきに会場全体が支配され、やがてぱちぱちと拍手が大きくなった。映像はステージ上の零れ落ちた白濁液をアップし、そして放心状態の男の表情を写し、最後にぐいっと隆起した包茎の先端から覗く亀頭を写し、終わった。
センター長からの言葉は衝撃だった。今度の忘年会で、うちのチームは全員裸芸をやれというのだ。
昨年の忘年会は北関東の温泉旅館で行った。総勢200人くらいだっただろうか、大広間に皆集まり、お決まりの挨拶の後は、酒宴だった。そしてセンターごとに一芸披露の催しがあるのだ。うちのセンターの宴会芸はお寒い限りだった。どうやらセンター長がそのリベンジをしたいらしいのだ。
普段は自分達のセンターで20人程の規模で和気あいあいと働いている。男が多い職場だが、総務や経理の女子もいる。それぞれのセンターが集まって、忘年会は合同で行われる、かなり大規模なものだ。その場で裸になるだけでも勇気のいることだが、さらに芸を行うなど、どれだけ赤面するかわからない。もちろん女子社員も見ているのだ。自分にできるだろうか。
うちのチームは4人だ。年齢的には自分が下から2番目。センター長室で4人で直立し、様々な思いを巡らせていた。どんな役回りになるのだろう。
「おまえは小島よしおをやれ!で、おまえはとにかく明るい安村だ!」一番上の先輩は海パン一枚で小島よしおの「そんなの関係ねー」、二番目の先輩は「安心してください、履いてますよ。」をやらされることになった。
「まあ、小島はそのままでいいとして、おまえは「とにかく暗い安達」としてこれで履いてやれ!」安達先輩は小さな布きれを渡された。
「これ・・・?ですか?」布を手にした安達先輩の顔が青ざめる。それはとてもパンツと呼べるものではなく、筒状になっていて、ぎりぎりチンポを隠すだけのものだ。もちろん陰毛は隠しきれるはずもなく、下手に動いたらぽろっと落ちてしまいそうだ。ゴーゴーボーイがお客を誘うために履いているような、そんな雰囲気の代物だ。
青ざめる安達先輩を気にすることなくセンター長は続けた。
「おまえは、一番下しただからな、喜べ!アキラ100%だぞ。」まだ入社1年目の後輩がアキラを指名された。
「もちろん、フルチンでやれよ。で、最後にわざと失敗しろ。そこで笑いを取れ。」センター長からの命令は厳しかった。200人の前で全裸、しかもチンポを晒せというのだ。後輩の顔が緊張で赤くなる。小声で「がんばります」と呟くのが聞こえた。職場の風呂でいつも見ている後輩のぷるんとしたチンポが脳裏に浮かぶ。あれが皆に晒されるのか。しかし、なぜ自分の順番が飛ばされたのだろう。
「お待たせ、おまえはこれだ。」センター長からA4の冊子を手渡された。タイトルに「輝く世界の包茎マン」とある。嫌な予感しかしない。なぜ、自分だけ台本付きなのだろうか。
「お前がうちのチームのとりだ。気合い入れて頼むぞ。俺が考えたんだ。おまえ確か前に風呂で見た時、包茎だったよな?体張ってくれ、頼むぞ!」
恐る恐るページを開く、文字の断片が飛び込んでくる。「・・・引っぱって宴会場を・・・」「・・・両手で・・・押し広げ・・・」「・・・ビールグラスに・・・」「・・・女子の前に移動したら・・・」くらくらとめまいがしてくる。これは現実だろうか。
「設定があるんだがな、過激すぎてテレビに出られない芸人って設定だ。大き目の包茎じゃないと絵にならないんでな、おまえしかおらん。ちゃんと練習しとけよ!」センター長の声が遠くに聞こえるように感じた。
その日は衝撃で、あまり仕事が手につかなかった。家でじっくり台本を読んでいて、手が震えた。これは宴会芸の披露というより自分の人格を崩壊させるために仕組まれた被虐のショーだ。いくらセンター長の命令とはいえ、二つ返事で「はい、がんばります!」という訳にはいかない。明日、センター長に相談してみよう。そして、断ろう。
翌日、意を決してセンター長室の扉をノックした。
「おう、入れ。」
センター長はなにやらパソコンをいじっていた。
「どうだ、練習しとるか?そうそう、あいつは小島よしおだけじゃつまらんので、アキラ100%のお盆持つ係にしたぞ。まあ、わざと新人のチンポを見せる係だな、がはは。」
自分は思い切って切り出した。裸になるのならまだしも、自分のそれは度が過ぎている。全裸になった上、大勢の前でチンポをおもちゃにして、しかも・・・。
また、何故一番年下の後輩ではなく、自分が「輝く世界の包茎マン」とやらをやらなくてはならないのか。
センター長はちょっと渋い顔になった後、
「これ、ちょっと見てみ。」
と自分を近くに呼んで、パソコンの画面を指差した。恐る恐る近づき画面を覗くと、URLがらしきものが羅列されていた。
「これはおまえのPCのログだ。若いとはいえ、ちょっとアダルトサイト見過ぎじゃないか、勤務中に。本部にチクったらおまえ、間違いなくクビだろうな。」
どきっとした。息抜きのつもりでこっそり見ていたものだが、ばれていた。シークレットモードにしていたのに。
「あと、これな!男と男の出会いの掲示板って何だこれ?おまえこんな趣味あったのか?」
「いや、それは!たまたま間違えて押しちゃって!」
「そうか、それにしてはだいぶ長く閲覧してなあ。・・・変な噂が流れたらおまえも困るんじゃないか?」
後輩の呆れた顔が浮かんでくる。興味本位で何となく見ていただけなのだ。でも見ていたのは事実だ。
「やってくれるよな?よし、今から俺が稽古つけてやろう。まず、服を全部脱いで・・・。」
<%ad>
<%ad2>