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378.米原

>>377包茎を疼かせ、息を切らす祐次を連れて文音は別の部屋へと向かった。
 女性スタッフの案内の下、やって来た広い部屋にはボクシングに使うようなリングが設けられていた。
 文音が傍らのスタッフからグローブを受け取る。
 急所もなにかも露出した全裸の祐次は不安げな面持ちで彼女を見た。

「どうしたんですか、先輩? 大丈夫ですよ、痛いことはしませんから」

 微笑ながら言って、文音がリングに上がった。
 困惑して立ち尽くす祐次に対して、彼女は「先輩も」と後に続くよう促した。
 祐次が恐々としながらリングに上がる。
 はち切れんばかりだった包茎ペニスはやや勢いを落としていた。
 痛いことはしないと言っていたが、リングに上がると不安が襲ってくる。
 そんな祐次の心を更に掻き乱すように、文音が両の拳で音を立てる。

「仰向けになってください」

 見下すような眼差しで、祐次へ告げる。
 怯える彼は股間を手で覆い隠しながら、リングの床に背を預けた。
 寝そべった体勢から文音を見上げる。
 細くしなやかな脚、ピンク色のタンクトップから覗く白い肌。
 嘲りと愉悦を含んだ妖しい笑み。
 全裸で床に仰向けになった自分と、着衣のままグローブをはめて立っている文音。優劣のはっきりした状況に、何故か包茎ペニスがますます硬くなってしまう。

「文音……い、痛いことは本当にしないんだよな……?」

「……気が変わるかも知れません」

 ここへ至るまでの言葉を反故にしながら、文音が祐次の両足首を捕まえる。

「手をどけてください」

 股間に脚を向けて言う。
 祐次は青ざめて首を横に振った。
 こんな状況で、急所を露にするのは酷く不安なことだった。

「痛いことが嫌なら、そう懇願してください」

 静かな声音に、愉しげな表情。愛らしいと感じていた大きな瞳は嗜虐の悦びに爛々としている。
 呼気を震わせ、動悸を早めながら祐次が声を上げる。

「い……痛いことは……しないでください……」

 彼が紡いだ卑屈な言葉に、文音は悦びに打ち震えた。
 背筋をゾクゾクとしたものが駆け上がっていくのを感じながら、彼女は素足になって包茎を踏みつけ直した。
 やや湿った冷たい足裏の感覚に、祐次が身を震わせた。
 文音は、怯えと期待の入り混じった被虐者の顔を見つめた。
 包茎を踏み潰した脚を小刻みに震わせる。

「あっ、あうっ、うう、ふ、文音……!」

 振動は心地良く包皮に響き、祐次の口から愉悦の音が漏れる。
 少女は笑みを湛えて火照った息を吐く。
 タンクトップから覗く艶かしい腋の窪み、細い腕の先にあるグローブ。
 黒いレギンスに包まれた脚が奏でる快楽。
 後輩の女の子に包茎を踏まれて喘ぐ――被虐の悦びは透明な雫となってペニスの先からとろりと溢れ出た。
 文音は彼のそこが蕩けていくのを足裏で感じながら、更に刺激を強めていく。
 より激しい振るえが肉棒を揺さぶる。
 込み上げる甘い痺れが、祐次の思考を快楽で満たしていく。
 それでも絶頂へ至る気配はまだなかった。

「ああっ、あ、ああ、あああぁっ……!」

 情けない声を上げる彼に向けて、文音が微笑み掛ける。
 被虐的な状況で快楽を感じてしまうことに、どこか抵抗を抱いていた祐次だが、笑みが緊張を解し、ここへ至るまでに文音から受けた躾が効いてくる。
 
 ――先輩は包茎おちんちん虐めて欲しくて仕方のない、変態なんです。
 ――男の子なんて、おちんちん膨らんじゃったら気持ち良くなることしか
考えられない馬鹿なんですから。

 脳内で再生された彼女の言葉が、引き金となり、責められる悦びを受け入れるべきなのだと思考が捩じれていく。
 見上げた先で笑みを浮かべている美しき嗜虐の少女には、逆らうだけ無駄だ。それより身を委ねてしまった方が良い――気持ち良くしてもらえる。
 祐次はそれを認めて、口を開く。

「あ……ああ……き、気持ち良いっ……」

 言葉は自然とあふれ出した。
 被虐の快楽を受け入れると、それは勢いを増して祐次を飲み込んでいく。
 包皮が甘美に疼き、熱い物が込み上げてくる。
 祐次は喘ぎ声混じりに、甲高い声で文音の名を呼んだ。
 彼女は小さく笑みを漏らして、より明確な快楽を浴びせるべく、祐次のふくらはぎを腋に挟んだ。
 脚を前後に滑らせる。滲み出る大量の我慢汁がローション代わりになって、ぬちゃぬちゃと音を立てる。
 惨めで屈辱的な体勢でありながらも、扱かれれば快楽を覚えずにはいられない。

「ふふっ、どうですか? もうすぐ出ちゃいそう?」

「はあっ、あ、あっ、で、出そう、あっ、ああぁぁ……!」

 美少女に見下ろされながら、快楽の高みへと押し上げられていく。
 リングやグローブのかもし出す、争いごとの空気。加えて、この体勢だ。
 女に打ち負かされて、快楽で支配されていくような感覚に陥る。
 祐次が悲鳴に近いような嬌声を上げて、身体を強張らせる。
 ペニスはこれ以上なく硬くなり、ほんの少しでも気を抜けば、途端に絶頂へ至るだろう。
 文音は、彼が射精を堪えていることを表情から読み取っていた。
 嗜虐的な笑みが彼女の口元に浮かぶ。薄く瑞々しい唇が淫靡に歪んでいる。
 祐次に対しては、何一つとして決定権を与えるつもりはなかった。
 もちろん、射精に関してもだ。
 文音は器用に足指で包皮を挟み込んで、より強い刺激を送り込んでやった。
 
 ぬくちゅっ、ぬちゃっ、ぬちゅ!
 
 足裏によって肉の幹が撫でられていたのに加えて、敏感な亀頭のくびれを指で擦りあげられる。
 祐次の口から、あられもない声音と同時に涎が滴る。
 抗うことの出来ない快感が、彼を一気に絶頂へと追いやった。
 
(しっ、搾り取られる……!)

 自慰による射精しか経験のない祐次が始めて味わう感覚だった。
 射精”する”のではなく”させられる”――。
 ぶびゅるっ!!
 初動で放たれた精液は勢い良く祐次の顔へ散った。
 ぶびゅっ、びゅっ!
 ペニスが強く律動し、白濁液を胸や腹へと飛ばしていった。
 被虐的な射精の悦びに祐次は顔を蕩かせて、呻き声を上げている。
 尿道に残る精液を搾り出すように、文音が指で男根を強く締め上げ、足を前後させる。
 どろりと滲み出した白いものがへその辺りを汚した。
 快楽の果てへと至り、惨めな射精を終えた彼の姿を見下ろして、文音は満足げな笑みを浮かべるのだった。


投稿日時:2019/02/24 20:21

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