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379.米原

>>378彼の口から「ひっ」と短い悲鳴を漏れた。
 逃げ出すことは適わない。
 女体が枷と化して四肢を捉えている。振り払おうにも力が入らない。
 極度の興奮と恐怖に、震えが止まらない。
 沙智と詠子の尻尾が大蛇の様にうねりながら、達夫の下半身へ向かう。
 
「可哀想〜。おちんちん、怖くて縮こまってるね。今、大きくしてあげる」

 詠子が愉しそうに笑った。
 達夫の尻に向けて、尻尾の先から白い液を吐き出す。
 それは生暖かく、粘り気があった。
 その感触に驚く間もなくアナルを貫かれる。
 ぬっ……ぬくぷぷっ……!
 
「あっ、あああぁっ!!」

 達夫の肛門は難なく異物を飲み込んだ。
 尻尾から放出された粘液がアナルを弛緩させ、潤滑油にもなっていた。
 淫靡に微笑む詠子が尻尾を操る。
 異形の黒い器官から粘液を滲ませ、ある一点を圧迫した。
 ぐにっ。
 前立腺に響き渡る甘い痺れ。
 初めての感覚に、達夫は声を上げ身を捩った。
 内側から男性器を刺激される。
 ぐに、ぐりっ、ぐりぐり。
 柔軟でありながら弾力ある尻尾が、敏感な膨らみを何度も押す。

「あっ、あ、あああぁっ、あんんっ、あ、ああっ!!」

 快楽が響く度に嬌声を上げて痙攣する。
 達夫の肉棒は、程なくして硬く大きく膨らんだ。

「ふふ、皮被りの小さいちんぽ、勃っちゃったね。女の子に囲まれて、アナルを犯される気分はどうかな〜?」

「ひっ、ひぐっ、あっ、あああっ……!」

 喋る余裕はなかった。
 恐怖を覚える程の強い快感が、延々と襲い来る。
 達夫は詠子に翻弄されるばかりだった。
 その様子を見ていた部員が恍惚に染まった顔で笑いながら言った。
 
「見れば分かるじゃないですか、紙野先輩。ちんぽが気持ち良いってビクビク震えてますよ」

 彼女の指先がペニスを弾いた。鋭い刺激が走る。
 達夫はたまらず喘ぎを漏らした。
 その姿に、彼を囲む女子部員達が嘲笑がする。
 くすくす、ふふふふ。
 聴覚を揺さぶる笑い声に、頭の中が真っ白になる。
 それが――心地良くてたまらない。
 魔性の快感に翻弄され、笑い者にされるのが気持ち良くてたまらない。

「これから駄目にされるんだ。最後に立派にしてやろう」

 沙智が達夫の足元にしゃがんだ。
 包茎へと手を伸ばす。
 しなやかな指で包皮を捉え、一気に下へ降ろした。
 ぷりっ……。
 真っ赤な亀頭が顔を覗かせた。その先端には快楽の証が滲んでいる。
 
「あ、あああぁ……」

 あられもない声を上げる。
 包皮を剥かれるのは凄まじい快感だった。
 日ごろは覆い隠されている亀頭は酷く刺激に弱い。
 ぬぬぬ、と皮が下がっていくだけで気持ち良くなってしまう。
 達夫はだらしなく緩んだ口から舌を伸ばした。
 ペニスが脈を打つ。我慢汁に濡れ光る亀頭が揺れた。
 沙智が男根を手放して立ち上がる。
 入れ替わって股間を覗き込む詠子がにへらと笑った。

「折角さっちゃんに剥き剥きして貰って大人ちんぽになったのに、一度もエッチ出来ないまま使えなくなっちゃうなんて、可哀想〜」

 彼女の言葉が恐怖を煽る。
 使い物にならなくなる。それは男根を失うのと同義だ。
 ――去勢。
 女を知らぬまま、雄の本能に刻まれた欲望を満たす手立てを失う。
 それに気付くと全ての感覚が消えた。
 尻尾に捻じ込まれたアナルも、四肢を捉える柔らかな女体も、依然としてそこに有るはずなのに、まるで無くなってしまったようだ。
 夜の帳の様に、絶望が下りてくる。

「●●●●●、●●●●●」

 何かを告げた沙智の声も、今の彼には意味を成さない音でしかなかった。
 美しき嗜虐者の尻尾が鎌首をもたげる。
 熟れた女陰のように開いた割れ目から粘液をポタポタと滴らせる。
 ペニスがそこへと飲み込まれる。
 一瞬の静寂。無。
 視界がぐら付いた、次の瞬間――
 
「あっ、ああああっ! ああぁあっっ!!」

 達夫は快楽の奔流に飲み込まれていた。
 尻尾の内部は酷く火照っており、ねっとりとした粘液で満ちている。
 無数の凹凸を持つ柔らかな媚肉が、ペニスに吸い付く。
 
 淫魔が持つ尻尾は、膣の様でありながら存在の意味は全く異なる。
 それはたった一つの機能に特化している。
 男根を蕩かして精を搾り取ることにだ。
 
 ペニスを包んだ媚肉が蠢き始める。
 突起や凹凸が、上下を中心とした複雑な動きを見せる。
 極限まで硬くなった肉棒が、甘ったるい摩擦を受ける。
 
「おぐぅっ、あう、ああっ、ああぁぁ!!」
 
 稲妻のごとき快感が肉体を貫く。
 達夫は目を白黒させた。
 受容できる範囲を超えた快楽に、のた打ち回る。
 女子部員らは、興奮した面持ちで痙攣する達夫を強く押さえ付けた。
 逃げられない。
 
 媚肉が何段かにくびれて、男根を締め付けた。
 輪状の圧力が行ったり来たりする。
 息の止まるような気持ち良さに襲われる。
 限界はすぐそこまで迫っていた。
 睾丸がきゅっとせり上がる。
 その反応に気付いた詠子が、より強く前立腺を圧迫した。
 
「こはっ…………! あ? あああ!! 出るっ! ああぁっ! あああぁぁぁっ!!」

 熱い物が身体の奥から一気に噴き上がる。
 ぶびゅくっ、びゅるる!
 達夫が絶頂へと至った。
 大きく痙攣しながら絶叫染みた喘ぎを漏らす。
 視界をチカチカと点滅させ、悶えるばかり。

 沙智と詠子が、妖艶な薄笑みで彼を見下ろす。
 射精へと追いやるのが目的ではない。
 やがて達夫が気付いた。
 長い。あまりにも長過ぎる。
 白濁液はとっくに底を尽くはずだ。
 それなのに射精が止まらない。
 
「ひっ、ひいいぃ!! や、やめてっ! おかしくっ、な、あぁぁっ!!」

 腰を何度も跳ねさせながら、達夫は泣きじゃくった。
 快楽と呼べる段階を超えている。
 延々繰り返される射精の脈動、快楽神経への刺激。
 気がどうにかなってしまいそうだった。
 二人の美しい淫魔。そこに付き従う女達。
 達夫へ向けられる全ての瞳には無慈悲な愉悦が滲んでいた。
 
「……あっ!? あ、あああああ!!」

 何か、決定的な物が失われた。
 達夫はそう確信する。
 じゅくっ、じゅるるるっ……。
 沙智の尻尾がそれを吸い上げていた。
 強い喪失感。
 快感――それは、無限に続くと思われた射精からの解放によるものだった。
 二本の尻尾が股間を離れる。
 粘液でぐっしょりと濡れたそこに、ペニスはなかった。

「あ、あぁぁぁ……」

 尿道に繋がる小さな穴。その上には小指程度の突起。
 絶望的な表情で、達夫は下半身を見つめ、独り言のように呟いた。

「どう……して……」

投稿日時:2019/02/25 19:13

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